もうすでに有名になっているので、今更と言われるかもしれませんが、実は女性だけの問題ではないのです。
男性の乳ガン患者は、私は診察したことはありませんが、私の指導教授がそういう症例があったということを教えてくださいました。
女性の乳ガンの原因がいまだはっきりしないのと同様、男性の乳ガンについても分かっていないことがたくさんあります。男性の胸が女性のように発達してこないのは、男性ホルモンの分泌と関係がありますし、女性ホルモンの刺激をうけない男性の胸は平らです。そのため、一般的には乳腺などは萎縮した状態になっています。ところが、一旦なんらかの理由で女性ホルモンの刺激を受けると、乳腺が発達し出す可能性があります。
さて、もともと萎縮した乳腺しかない男性なので、組織のなかのリンパ管も短く、さらに胸が平らであるから胸に異物ができたりすると女性よりもわかりやすいはずです。しかし、実際には気付かないことがおおく、痛くもかゆくもないため、見落とされます。そのため、一旦発見されると末期であることが多いのも現実です。
男性も40歳を超えると男性ホルモンのレベルが下がってきます。
そうしたときに、片側の胸に異物ができ、さらに大胸筋に向けて侵食し出している場合、乳ガンである可能性があるというわけです。
さらに、男性にも更年期があることが分かってきています。特に、更年期の症状として挙げられているのが気性が急に悪くなり、イライラし、例えば性欲の衰えなどにもでてきます。早い人なら40代で、遅くても50代を超えたぐらいの男性に出てくる症状なのですが、そうした場合は、生活リズムを見直し、食べものを調節し、さらに漢方・中医学などの服用で改善させることも可能です。
男性の更年期障害の治療として、運動も非常に大切です。運動することにより、テストステロンの分泌を増やしますし、気分転換にもなります。さらに健康的な飲食を心がけることが大切です。なんせ、20代・30代とちがって朝から晩まで仕事に励むようなことは望まず、精神的な余裕を持つことが大切になってきます。それには、パートナーの支えが必要なことは言うまでもありません。
更年期障害は女性だけのものではないと言うことは、意外と知られていないように思います。なんせ、40代〜50代といえばまだまだバリバリ働く世代ですから。
ちなみに、乳ガンの予防に関して、女性では母乳をあげることが大切であるという研究が昔から発表されています。アメリカ・ノースカロライナ大学が8月11日に雑誌の発表した研究では、6万人の子供を産んだ経験がある女性を調査したところ、母乳をあげていた母親の乳ガンになるリスクは、そうでない場合よりも25%下がるとしています。特に、「ガン家系」とも呼ばれる乳ガン家系の場合、母乳を3ヶ月以上あげると、乳ガンにかかるリスクが50%下がるという報告もあります。
女性にとっては、子供に母乳を与えると言うことは、自他共に非常に大切であるということがわかります。
私の母も乳ガンを患いました。原因がまだはっきりしないだけに、日頃の予防や検診が大切です。
乳ガン予防の一つとして、便秘解消も忘れずに。この点、漢方・中医学では結構いろいろな方法があり、下剤や灌腸・センブリなどを使わなくても、便通を改善させる手段は沢山あります。
センブリについては、私も一つ興味深い症例がありますので、今度機会があれば。
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ちょっとした注意が大切だと思います。
