2009年08月22日

農村の活性化と中医学

 2009年4月に中国国務院が『中医薬事業発展の扶助促進に関する意見』という文書を出しています。私も手元にこの文書があるのですが、中国政府中央が、中医学の発展に本腰を入れようとする決意が示されていて、非常に興味深いです。

 その中で、中国では貧困農村エリアで生薬栽培を行うことで、農民の収入を引き上げ、地域を活性化させるということに力を入れ始めています。生薬は中医学や漢方にとって欠かせないもので、安定供給ができなければ伝統医学は生き残れません。

 一方で、生薬の多くは中国内陸エリアで栽培されており、昨今の海外も含めた生薬需要の逼迫から、その生産の重要性が叫ばれています。同時に、内陸エリアの経済発展にも貢献しだしています。

 たとえば、クコの実で有名な寧夏エリアは、クコ以外にもさまざまな生薬を栽培しています。その種類は1100にも及びます。このうち、中国の薬局などで最もよく使われる常用生薬363種類のうち、約半分の157種類は寧夏エリア産で産出します。

 広西エリアにしてもそうです。地方政府が農村の貧困対策として、会社を設立し、地域でとれる生薬を買い取り、農民たちの生薬栽培への積極性を高めているところもあります。

 同じようなことが日本でもできるのではないか?と私は考えています。もともと過去に漢方薬が盛んだった日本では、実は各地で特産となる生薬が栽培されていました。それが、今では空前の灯火になってしまっていますが、でもそうした品種の生薬栽培を再開し、広く一般市民にも知ってもらえれば、漢方薬煎じ薬の普及・需要の喚起・低価格化に貢献できると思うのです。

 何よりも、地域を活性化することができます。同時に健康の問題に感心を持ってもらい、予防医学的な角度からも非常に意義あることだと思います。

 

 これだけ新型インフルエンザが騒がれているのに、日本の漢方の世界では、予防にたいして何もニュースが出てこないというのは非常に残念です。日本の先人たちの経験の蓄積が継承されずに消えてしまうのはもったいない限りです。

 マスクと手洗いうがいだけではありません。生活も含めたトータルな対策を日本人の生活にあった方法で、伝統医学も導入しつつ、厚生労働省が引っ張っていければ、それこそ世界に「Kanpo」を知らしめることができるのですが。。。。

 まあ、そういうことは無理ですよね。

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こんな時期こそ伝統医学もなにか貢献できるのです
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

また一段と成長した娘(まもなく10ヶ月に)

 昨日、私は中医学の勉強会で帰宅が遅く、娘の寝顔しか見ることができませんでしたが、今日は朝からばっちり観察です。

 妻と私の上海市内での職場があまりにも離れているので、単身赴任状態の私ですが、義父・義母が喜んで娘を見てくれているので、本当に助かっています。

 うちの義母・義父は、二人の子供をちゃんと大学生にまで育て上げました。義父は元高校の校長先生ですでに退職しています。義父は文革のややこしい時代に揉まれながらも、これまた中国の重点大学を卒業されており、博識でかつ絵画など芸術を愛されています。そうした背景からも、妻の実家の子供に対する「しつけ」は昔から厳しく、勝手気ままに子供を育てているような様子を見受ける中国でも、「ああ、中国にもこういう家庭があったんだ!」ということを妙に感心しました。

 だからといって、我々もしっかりと子育てしなくてはいけません。それこそ、自分たちのためだけでなく、社会に対しての責任でもあると思うのです。

 私もそうです。こうした離ればなれの生活を余儀なくされている限り、それ相応の意義ある仕事と成果がなければ娘や妻、義母・義父に対しても申し訳ない。私の原動力になっています。

 さてさて、今週末も妻と娘が戻ってきて、自宅が一気に賑やかになりました。
 かれこれ10ヶ月になった娘の最近の成長をチェックしてみると。。。。

 無駄に泣くことが減りました。泣くときはかならず何か要求があります。

 つかみ立ちが自由自在になりました。

 一人で遊ぶようになりました。実家では、従兄弟もいるので、2人でワイワイやることも。2人いると、歳1つ半ほど上の従兄弟がおもちゃを貸してあげたりして遊んでいました。

 食欲が非常に旺盛です。夜はしっかりと寝てくれますが、4時半頃(私の起床時間ぐらい)に一度ミルクを欲しがります。

 好奇心がものすごく旺盛です。なにかを見つけると、ハイハイで突進して取りに行きます。

 言葉ですが、パパ・ママ意外にも、ミルクの意味のナイナイが言えるようになりました。お腹が空いているときは、自らナイナイと叫ぶことも。

 犬や猫と違って、人間の子供を育てるというのはこれほどまで興味深いことなんだと、驚きと発見の連続です。

 また夕立が来そうですね。浦東では午後からゴロゴロです。

 雨上がりには、娘を連れて公園に行ってきます。

 さあ、娘が寝ている間に日本で発表する原稿を書きます。こうやって中医学で原稿依頼がくることは専門だけに非常に嬉しいことです。世に残る作品に仕上げたいです。
 

蝉の抜け殻


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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類