その中で、中国では貧困農村エリアで生薬栽培を行うことで、農民の収入を引き上げ、地域を活性化させるということに力を入れ始めています。生薬は中医学や漢方にとって欠かせないもので、安定供給ができなければ伝統医学は生き残れません。
一方で、生薬の多くは中国内陸エリアで栽培されており、昨今の海外も含めた生薬需要の逼迫から、その生産の重要性が叫ばれています。同時に、内陸エリアの経済発展にも貢献しだしています。
たとえば、クコの実で有名な寧夏エリアは、クコ以外にもさまざまな生薬を栽培しています。その種類は1100にも及びます。このうち、中国の薬局などで最もよく使われる常用生薬363種類のうち、約半分の157種類は寧夏エリア産で産出します。
広西エリアにしてもそうです。地方政府が農村の貧困対策として、会社を設立し、地域でとれる生薬を買い取り、農民たちの生薬栽培への積極性を高めているところもあります。
同じようなことが日本でもできるのではないか?と私は考えています。もともと過去に漢方薬が盛んだった日本では、実は各地で特産となる生薬が栽培されていました。それが、今では空前の灯火になってしまっていますが、でもそうした品種の生薬栽培を再開し、広く一般市民にも知ってもらえれば、漢方薬煎じ薬の普及・需要の喚起・低価格化に貢献できると思うのです。
何よりも、地域を活性化することができます。同時に健康の問題に感心を持ってもらい、予防医学的な角度からも非常に意義あることだと思います。
これだけ新型インフルエンザが騒がれているのに、日本の漢方の世界では、予防にたいして何もニュースが出てこないというのは非常に残念です。日本の先人たちの経験の蓄積が継承されずに消えてしまうのはもったいない限りです。
マスクと手洗いうがいだけではありません。生活も含めたトータルな対策を日本人の生活にあった方法で、伝統医学も導入しつつ、厚生労働省が引っ張っていければ、それこそ世界に「Kanpo」を知らしめることができるのですが。。。。
まあ、そういうことは無理ですよね。
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こんな時期こそ伝統医学もなにか貢献できるのです
