そんな中、華東理工大学で、訓練に参加していた大学生のうち、200人が発熱・咳などを訴え、軍事訓練自体をはやく切り上げるという事態になりました。学校によると、連日10人前後が発熱を訴え、特に女子学生で感染した人が多かったと言うことです。特に、中国の大学生は4〜7人部屋の宿舎で生活していますから、一人の体調不良が容易に他の学生に影響を与えます。
市当局も検査を行った結果、新型インフルエンザではなかったということですが、こうして集団で風邪のような症状が流行するのは珍しく、大きく報道されました。季節の変わり目だけに、無論注意が必要です。
さて、新型インフルエンザですが、中国でもタミフルに代わる中医薬の研究が進められています。この中で、SARS治療のころに研究された中成薬「連花清瘟カプセル」が、北京地壇医院の研究で、新型インフルエンザに対して良好な結果を出していることが発表されました。8月21日の討論会で明らかにされています。
主成分ですが、连翘、金银花、炙麻黄、炒苦杏仁、石膏、板蓝根、绵马贯众、鱼腥草、广藿香、大黄、红景天、薄荷脑、甘草 と公表されています。清熱解毒剤のオンパレードですが、参考にできる処方かと思います。
連花清瘟カプセル(以岭药业製)は、中国衛生部が発表した新型インフルエンザ対策の治療案にも採用された薬なのですが、タミフルと比較して入院期間、解熱までに要する時間ともに短縮され、統計学的にも有意義な結果となったようです。
さらに、タミフルでは難しいとされる喉の痛み、咳、痰などの症状も連花清瘟カプセルで改善されたと報告されています。
何よりも価格がタミフルの八分の一だそうで、今後の臨床での活用が期待されています。
これは、既に多くの先生方もご存じですが、麻黄湯(麻黄 杏仁 桂枝 甘草)も新型インフルエンザの治療に使えるというデータも出ており、実際に導入されていることろも。
このようにタミフルだけに頼らなくてもいいように治療ができれば、これは素晴らしいことだと思います。それには、何百・何千という種類の生薬を使う、漢方や中医学に可能性があると思います。
私も引き続き、データを集めていきます。
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