2009年09月23日

中国式長寿の秘訣

 中国国内で環境問題とか汚染問題とか言われて久しいですが、それでも長寿の人は長寿ですし、長寿のエリアもあるのです。
 中国長江デルタエリアでも有名な長寿の街に、江蘇省の如皋という地区があります。

 決して山の中にあるような田舎でもなく、長江の中流に位置する街です。だけど100歳以上の人口が非常に多いこのエリアでは、中国国内での長寿問題に関してよく研究されています。そこから、さまざまな生活習慣の特徴が分析されていました。

 その分析結果は、我々日常生活でも活用できると思うので、ご紹介します。

 まず、高齢者の多くは、ベジタリアンではなく、むしろ肉も魚もバランスよく食べるという人が多いようです。完全なベジタリアンはほとんどおらず、動物性タンパク質は魚と卵が中心ということです。

 さらに、蜂蜜・牛乳・鶏卵・棗を摂取している人が多いことも分かりました。棗、いいですねえ。私も大好きです。生薬茶にもよく使います。

 そして、主食は雑穀がメインなのですが、面白いのが朝晩はお粥で、お昼にご飯を食べることが多いようです。どうやら、このあたりの食文化がそのようで、トウモロコシなどを混ぜたお粥を毎日のように食べると言うことです。夜にお粥というのは、私はすこし真似できないかもしれませんが、でも私の周りの中国人高齢者にもお粥が好きな人が多いし、上海人の私の妻も麺よりもお粥の方を好みます。

  さらに、大切なのが「新鮮」な野菜を摂取するという点。
 仕事が忙しくて、時には買いだめををしてしまうことが多い私ですが、そうした食べ方は、栄養価を落とすだけでなく、野菜そのものが持っている、いわゆる「薬効」もダウンさせてしまうというのです。冷蔵庫に2日間保存しておくだけでも、こうした野菜本来が持っている「抗ガン作用」や「殺菌作用」の力を落としてしまうわけで、如何に新鮮な野菜を食べることが大切かが分かります。確かに、取れたて新鮮な野菜を食べることは非常に大切です。

 もう一つ、このあたりの人が大切にしている生活習慣に、「足浴」が挙げられています。特に、冬場はお風呂に入るよりも、「足浴」を重視するそうです。これは興味深い。

 ご存じの通り、中医学では冬場の「陽気」を大切にします。年齢が増してくると、体の中の気・血が不足しがちになり、お風呂に入りすぎてしまうとこうした「気・血」を消耗しやすくなるため、むしろ足浴の方がマイルドに体に効くと考え方です。

 足の裏にはたくさんのツボがありますし、お湯でこれらのツボを刺激すると、足だけでなく体全体の血液の巡りがよくなり、新陳代謝が高まるというのです。そのため、このあたりの公衆浴場には熱めの足浴場が多いと言われるのも納得できます。

 生薬を足浴のお湯に混ぜるのもよく行われますが、そうしたときは、自分の症状(慢性疾患)にあわせた処方を組み合わせるともっと効果的です。もし、日本だったらさしずめ天然温泉を使って足浴できますが、継続することは非常にいいことですよね。

 

 そうしてもう一つなるほどと思ったのは日光浴。中国では大人も子供の日光浴をしている姿を公園などでよく見かけます。太陽にあたることで、五臓六腑の肺の働きを高め、病気にならない抵抗力をつけようという目的もあります。

 また、如皋の老人たちは、背中を向けて日光浴をすることを好むそうです。これも中医学的にも理にかなっています。陰と陽を考えたときに、背中側は陽になりますし、最も陽を感じやすいところということになります。

 だから、逆に、冬は背中への按摩をあまりしないということです。冬は陽気が発散しやすいので、背中への按摩をしてしまうと、せっかく背中に蓄えた陽気が逃げてしまうからです。

 そして、最後に。

 如皋でも、やっぱり高齢者も含めた家族みんなでのつきあいや、家庭内の親睦を大切にするそうで、高齢者の1人住まいなどは社会的ストレスも多く、できるだけ避けるべきだという考え方もあるそうです。

 長寿の理由の一つに、遺伝子などの原因も考えられますが、それは全体の四分の1程度の影響に過ぎず、大切なのは生活習慣、飲食、水質、心理状態、空気など人間を取り巻く様々な環境が大きな影響を及ぼすということも忘れてはいけないと思います。

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その地域が残す伝統は、大事に守っていきたいですね。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

中国聯通版iphone10月登場へ

 WCDAMのキャリアである中国聯通が、9月28日からいよいよ3G携帯電話システムを正式運用させることになりますが、これにあわせて聯通版の正式iphoneが2009年10月に登場するという話を聞きました。ついに、中国にもiphoneが正式に上陸することになります。

 今までの段階でも、iphoneはかなりの量が上海で流通していましたが、いずれも密輸品が中心でした。これで、やっとiphoneのコンテンツビジネスが本格的に動き出すのでしょうね。
 端末の値段も安くなるはずですが、一説では、3000元分の通話料を前払いする必要がある、などのウワサも出ていますので、何らかの負担が発生するのではないかと思います。

 ただ、情報いろいろ調べてみると、聯通のiphoneにはWi-Fiがつかない、というのは事実のようで、これはすこしがっかりです。

 私の使っているiphone 3GSはシムロックのないヨーロッパ方式のものですが、Wi-Fiがあるおかげで、自宅や事務所でメールを送受信するときは3Gにつなげなくてもよく、電話代の節約になります。

 最近、私自身のiphoneの使い方で、ものすごく便利だなと感じたのは、パソコンを開けなくても仕事など一切のメール(日本語・中国語・英語)をチェックできるという点。どんなパソコンでも、一般にサスペンドからメーラーの起動までヒマがかかるのですが(特に我が愛機のVaio Pでは2分ぐらいかかり非実用的です)、携帯電話端末ではそのタイムラグがありません。メーラーを起動したのに新着メールがなかった、ということもなくなり、そういった意味ではパソコンから私を解放してくれた非常にありがたいiphoneでもあります。ちょっとした返事ならiphoneから送れますし、WordやExcelの添付ファイルもiphone上で簡単にみられてしまう。もちろん、gmailベースなら、パソコンと携帯でメールの同期も簡単。

 さあ、聯通が3Gを正式運用してくれたことで、私のUIMカードの様々なトラブルが解消されるか、私は期待していますよ!

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聯通版iphoneが中国のモバイル市場に何をもたらすか?!
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年09月22日

上海人、子供に期待する職業

 上海市科協が1500人を対象に調査した「2008年上海公衆科学素質調査」の結果が発表されていました。この中で、子供に就いて欲しい職業に関して、一番多かったのが医師、続いて教師、科学者と並んでいました。

 そのほか、一般の人たちの間で、あこがれの職業でも、トップが教師で、次に科学者、医師と並んでいました。中国では、教師という職業がいかに重視されているか、というのが分かりますが、この3つの職業はいずれも中国の社会では薄給の代表でもあるので、多くの人が、仕事に対してお金以外のなにかを求めていることが分かります。

 一方で、こんな調査もありました。上海市内の小中学生の教師のうち、8割弱が自分の仕事に対してストレスを感じているというもの。社会が高度に発展してきた上海では、教師に対する要求が増え続け、そのことがストレスになっているというのです。そのほか、90%の教師が、教務以外の雑務に翻弄され、時間が足りないと答えています。これはどこの国でも同じのようです。

 現実と理想とは大きくかけ離れていると言うことでしょうか。

 「2008年上海公衆科学素質調査」はさらに興味深い調査結果がありました。上海市民が最も感心あるニュースが、なんと「環境汚染とその処理」に関するもの。特に、水質汚濁に感心のある人は全体の88.7%、空気の汚染に感心のある人は85.6%おり、上海市民が環境に対して強く感心があることが分かりますが、その背景は、やはり上海市内で実体験できる生活環境の悪化と関係があると思います。あんな黄色く濁った水道水を見たら、だれでも水質汚濁の問題は深く考えさせられます。

 環境問題に続いて、上海市民が感心を持っている問題は、なんと「国際外交政策」が挙がっていました。なかなか情報が入って来にくい社会ではありますが、上海人は国際問題にも比較的敏感ということになります。

 

 でも親が期待する子供の職業に科学者が入っているというのはいいですよね。少なくともトップ3の中に、「公務員」が入っていないだけでも、日本とは職業に対する大きく考え方が違うことがわかると思います。

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職業選択もお国柄が出ますね。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類