すこしご無沙汰してしまいました。温泉学会での学会発表も無事終わり、奈良の実家に戻っているのですが、その間、書けていないブログがいろいろあり、今日はその一つをご紹介します。
以前から温泉学会でお知り合いになった群馬県みなかみ町の法師温泉長寿館の岡村社長。日本の秘湯温泉や温泉地保護問題に関しては、群馬県だけでなく、政府との折衝にも参加されており、まさにキーパーソンとも言うべき方です。私もいつも大変お世話になっております。
この法師温泉は前々から一度訪れてみた秘湯の宿だったのですが、なにぶん関東だけにチャンスが無く、しかし今回ついに実現しました。
日本の古き良き温泉文化を今に伝える、本当に貴重な温泉地でして、とくに国の有形登録文化財に指定されている法師乃湯は、メチャクチャお勧めです。
基本的に混浴なのですが、もちろん夜は女性専用の時間も設定されています。しかし、昼間も女性がはいってこられてもなんら問題ありません。いや、混浴こそが日本の温泉文化の本来の姿なのでした。
法師乃湯は、テレビのCMなどにもよく使われており、築百年以上を誇ります。湯船の底は石が敷き詰められているのですが、そこから時折ボコボコとお湯が沸き出してきます。水面をよ〜く観察すると、そのアワを見ることができますし、お湯の中では肌で感じることができます。。
大きな浴槽は横木でマス目上に仕切られていて、腰湯をするのもよし、肩までつかるのもよし。
興味深いのは、その当時の脱衣場などの構造が残されており、昔は浴槽のすぐ端で衣類を脱いでいたようです。そのためのロッカーもあります。
老舗温泉だけに、文人たちの往来も多かったのも特徴です。与謝野鉄幹、与謝野晶子、川端康成など著名人もその足跡を残しています。こういう環境の中でこそ、すぐれた発想が出てくるのでしょうね。
確かに、法師温泉長寿館の周りには、温泉地特有の施設など一切ありません。山の中にこじんまりと佇む、自然の中の別天地のように思います。
そうした静けさの中、ただ過ぎゆく時間のみを体感することができるのも、この法師温泉の魅力だと思います。
中医学や漢方にも浴療という治療法があります。この中で、温泉というのは非常に大切なコンテンツです。単にお風呂にはいって終わりという次元の話ではありません。
これからもこうしたオリジナルの温泉の姿が末永く残されていくことを強く願うのでした。
今度は妻を連れて是非訪れてみたいです。
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法師温泉、万歳!!
