昨日書いた法師温泉が、日本の伝統美を伝える温泉なら、今度は「モダン」を感じることができる温泉も、今回体験してきました。
それが、群馬県谷川温泉「別邸・仙寿庵」。正直言って、日頃、中国の中途半端な「高級サービス」に慣れ親しんでしまった私にとって、この仙寿庵で受けたサービスは、「おお〜、さすが日本!」と感心させられることばかりでした。
そして、「ああ、中国で払うサービス料は本当にその値打ちがあるのだろうか?」と考えさせられました。
こういった「モダン」系の温泉宿の最大の特徴は、門をくぐった瞬間に現実を忘れさせてくれる非現実性にあると思うんです。形は違いますが、ディズニーランドにもそういった趣がありますよね。
そうした現実を忘れるために、人はお金を出して、その空間を手に入れようと考えるわけです。しかし、非現実性の魅力は絶大で、またいってみたくなる。麻薬のような快感があるのかもしれません。
今回、日本各地の温泉宿をまわりましたが、ここの「別邸・仙寿庵」にはおもてなしの心に対する飽くなき探求があったように思います。
ここを経営している久保氏には、学会の懇親会でお会いし、いろいろお話しを伺いました。日本だけでなくアジアのテイストをふんだんに感じることもできます。
社長自身、中国にいったことはないそうなのですが、部屋や廊下などにいろいろ中国を感じるものが。私の部屋の入り口には、生薬だなの調度品が置かれていて、これにも感動しました。
私も自宅のインテリアに生薬だなを置きたいと思っていたのですが、こうやって置かれるとますます欲しくなってしまいました。。。。
大浴場にしても非常に細かい気配りがされていました。温泉地にいくと、スリッパを履いて浴場まで行くのですが、ここでは紫外線を使ったスリッパ消毒ができる機械も設置。他人のスリッパをイヤイヤ履くことはありません。
また、タオルを部屋から持ち出す必要もありません。浴場ですべて準備されていました。
さらに、浴衣だけでなく、作務衣も準備されていました。朝起きて、ヘラヘラの浴衣で朝食しにいくというようなこともありません。これもグッドアイデアだと思います。
各部屋に設置された露天風呂もまたいい!!谷川岳の雄姿を長めながら、ゆっくりとくつろぐことができました。やはり各部屋に露天風呂があるというのはいいですね。最近は、時間で区切った貸し切り風呂が日本の温泉地ではやっていますが、時間に追いまくられてしまって今ひとつなんですよね。
にくい心遣いとして、敷地内の離れに設置された読書室があります。冬場は暖炉に火が入るそうですが、マイナスイオンいっぱいの空気を感じながら、静かに時間が過ぎるのを楽しむことができます。
読書室の中に置かれた感想ノートを読むと、リピーターが非常に多いことも分かりました。人生の節目にやってくるだけでなく、大きな仕事をやり終えたときに骨休めにやってこられる方が少なくないようです。
私も、河のせせらぎと虫の声を聞きながら、しばらく瞑想にふけりました。
ちなみに、館内には本物の鈴虫の声が。。。。
サービスとはなんだろう?と考えたときに、サービスを受ける側がストレスを感じないというのが、最大のサービスだと思うんです。客が思いついたことが、自然に享受できる、そうした繰り返しが、サービスを受けることに対して快感を感じ、ああ、また享受してみたいと思わせるんでしょうね。
そうしたサービスの原点を感じさせてくれる、最高のひとときでした。
ちなみに、朝夕の食事も量が適当(むしろ少ないぐらい)で、満足。近年、ものすごい量の会席をだす旅館が多い中、量が少ないというのは大事だと思いました。
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日本式サービスを堪能しました
