2009年09月14日

師匠から久しぶりの電話

 このブログで「師匠、師匠」を気安くお呼びして大変失礼かもしれませんが、突如私の携帯電話に、私の大学院時代の指導教授から電話がありました。

 ちょうど、日本に戻ったときに、先生にプレゼントしようと買ってきた疲れ目用の目薬をお渡ししようと思っていた矢先だけに、その偶然にびっくり。シンクロしていますねえ〜。

 私が医学博士号をとって、上海中医薬大学附属竜華病院を離れてからも、ちょくちょく連絡はとっていて、去年も秋の学会報告でバンクーバーにご一緒させてもらったばかりです。

 先生はかれかれ75歳ぐらいになられるのですが、まだまだ現役で臨床第一線です。上海中医薬大学附属竜華医院におられ、上海中医薬大学の終身教授になられました。上海市を代表する、いや中国を代表する中医学の医師のお一人です。もちろん、私の尊敬する医師のお一人でもあります。

 今度、うちの前の世紀公園で花火大会があるのですが、孫や息子夫婦をつれて我が家をご訪問されたいとか。もちろん、大歓迎です。3家族一緒に食事にでもいって、花火を見に行こうということになりました。

 ほんと、浦東の我が家は千客万来でして、今までいろいろな有名人がいらっしゃっているのですが、先生もそのお一人です。これも上海ならではの楽しみですよね。

 先生は、カナダ・バンクーバーでの旅を非常に思い出深く語ってくださり、そのときの影像をDVDにまとめてプレゼントしてあげるというお言葉。なんとも嬉しいお話です。尊敬すべき人生の先輩はほんとうに身近に多く持つべきだと思いました。

 先生とは今でも困った症例があったりすると相談することもあります。中医学では師弟の関係が非常に大切だといいますが、私は身を以て実感しています。そして、先生の教えを、我々の世代が着実に受け継いで行かなくてはいけません。

師匠と一緒に、カナダにて


 今週は、週の初めから昔からの友達からちょくちょく電話をいただき、食事にも誘われています。S弁護士もその一人で、ふと思い立ったときにメールをいただきました。これもシンクロなんですよね。

 こうしたシンクロが続くとき、私の生き方になにか変化が訪れることが多いです。何が起るのか、ちょっと楽しみにしています。

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人生は本当に巡り合わせの連続だと思います。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

新型インフル、麻黄湯が改めて注目を集めているとは

 今日、虹橋賓館で上海商工クラブなどによる医療セミナーがあり、私ももちろん話を聞いてきました。テーマは「新型インフルエンザ」。

 さすがに、ホットな話題だけに、会場の大ホールはほぼ満席。杏林大学医学部総合医療学教室の小林先生がお話されました。

 もちろん、私も中医学とはいえ、医療関係者の端くれでもあるので、上海市衛生局からいろいろな情報をもらっていますが、やはり日本の情報は、ぜひ専門家から聞きたい。こんなチャンスは貴重です。

 新型インフルエンザの治療薬として使われているノイラミニダーゼ阻害薬として、よく知られているタミフルとリレンザがあるのですが、それ以外にも漢方薬(中医学)の麻黄湯についても紹介がありました。西洋医学の先生から麻黄湯の言葉が出てきたのには、正直驚いています。

 前々から、麻黄湯については新型インフルエンザに使える、という話は先日の上海日本人医師会でも話題になっていたのですが、今日の講演会でも麻黄湯の話が出ていました。
 道理で、最近、うちのクリニックでも麻黄湯に関する質問が多いわけです。

 麻黄湯というのは、中医学(漢方医学)をかじったことがある方なら、必ず暗唱できる処方でもあります。なんといっても、処方を勉強する方剤学の教科書では一番初めに出てくる処方ですから。。。。

  成分となる生薬は、麻黄・杏仁・桂枝・甘草の4つ。適応される症状は悪寒に発熱、頭痛に体の痛みなどが当てはまりますが、ポイントは汗があまり出ていないという症状です。ここでもし汗が出てきたりすると、処方が変わってしまうので注意が必要です。

 麻黄湯は決して長期で服用する処方でもありませんので、この点もくれぐれもご注意ください。麻黄湯の出典先の『傷寒論』でも、この処方は比較的「力」が強いので、例えば出血傾向にある人や、汗がよく出ている虚弱体質の人などには使えないことになっています。ここからも汗をかかせる処方なのに、汗をかいている人に使ったら間違いで、体の陰を傷つけてしまうことが分かりますよね。

 私は、煎じ薬で麻黄湯の処方を組み立ててしまうので、エキス剤はほとんど使わないのですが、中国の場合、ローカルの病院でも院内で煎じてくれるので、比較的オリジナルの処方の麻黄湯を使えます。煎じてもらったものなら、すぐに服用できますし、中国国内ならエキス剤同様に便利だと思います。

 ところで、今回の新型インフルエンザ、かかってしまうことは避けられないかもしれませんが、かかってしまったらまわりにうつさないようにするということが非常に大切です。飛沫感染が中心ですので、マスクが威力を発揮しますが、マスクをする場合はこまめにマスクを換える必要があります。

 でもかかってしまっても焦らず。予防接種を受けなくても免疫力がつくわけですから。

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中医薬の麻黄湯、がんばれ!
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類