そのほか、一般の人たちの間で、あこがれの職業でも、トップが教師で、次に科学者、医師と並んでいました。中国では、教師という職業がいかに重視されているか、というのが分かりますが、この3つの職業はいずれも中国の社会では薄給の代表でもあるので、多くの人が、仕事に対してお金以外のなにかを求めていることが分かります。
一方で、こんな調査もありました。上海市内の小中学生の教師のうち、8割弱が自分の仕事に対してストレスを感じているというもの。社会が高度に発展してきた上海では、教師に対する要求が増え続け、そのことがストレスになっているというのです。そのほか、90%の教師が、教務以外の雑務に翻弄され、時間が足りないと答えています。これはどこの国でも同じのようです。
現実と理想とは大きくかけ離れていると言うことでしょうか。
「2008年上海公衆科学素質調査」はさらに興味深い調査結果がありました。上海市民が最も感心あるニュースが、なんと「環境汚染とその処理」に関するもの。特に、水質汚濁に感心のある人は全体の88.7%、空気の汚染に感心のある人は85.6%おり、上海市民が環境に対して強く感心があることが分かりますが、その背景は、やはり上海市内で実体験できる生活環境の悪化と関係があると思います。あんな黄色く濁った水道水を見たら、だれでも水質汚濁の問題は深く考えさせられます。
環境問題に続いて、上海市民が感心を持っている問題は、なんと「国際外交政策」が挙がっていました。なかなか情報が入って来にくい社会ではありますが、上海人は国際問題にも比較的敏感ということになります。
でも親が期待する子供の職業に科学者が入っているというのはいいですよね。少なくともトップ3の中に、「公務員」が入っていないだけでも、日本とは職業に対する大きく考え方が違うことがわかると思います。
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職業選択もお国柄が出ますね。
