2009年10月27日

Tiny Shoes

 この異国上海で、ふとしたことから知り合った友達の1人、福田さかえさんの個展が上海で開かれました。

 デザイナーやイラストレーターとして東京を中心に活躍されており、「女性」の内面を鋭く描写した作品と、中国的要素を取り入れた不思議さに、私も是非みたいと思って出かけてきました。

 場所は、上海南京西路1025弄37号にあるかわいいギャラリー、「plum.」。(13:00〜22:00)台湾人が経営しているギャラリーで、上海のオールドアパートの中にひっそりとたたずんでいます。台湾人の間では、結構有名です。
 南京西路の近代的な高級ブランド店街と喧噪からは想像もできない空間が、路地裏を一本入ったところにあり、なんか嬉しくなってしまいます。

 

 ギャラリーに入ると、いきなり正面の壁に福田さんが壁画を描いておられました。
 まずは「ごぶさたしおります。」とご挨拶。壁面いっぱいに、すでに福田ワールドの上海が広がっているではないですか!

 実は、「Tiny Shoes」というテーマを福田さんから伺ったとき、恥ずかしながら、私はすぐにそれが「纏足」ということに反応ができませんでした。
 しかし、改めて絵を鑑賞させてもらったら、福田さんがなぜこういうテーマを選んだのか、少しずつ分かってきたような気持ちになりました。

 「纏足」と聞いても、歴史の上で知っていても、実際それがどのようなことだったのか、私には知るよしもありません。でも、私の妻ぐらいの世代だと、実際に見たことがあるといいますし、まだ私たちに近い時代の事だとも言えます。

 今でも博物館などにいけば、様々な「纏足」が見られます。あまりにもきれいに刺繍された作品をみると、そのきらびやかさとその内面に秘める残酷さのギャップの大きさに驚かされます。
 絵のなかでは、纏足を履いた女性が様々な表情で描かれています。外から見ると楽しそうだけど、どこかもの悲しい色を帯びています。女の子たちの表情が、独特なんです。

 絵には、「金魚鉢」が時々出てくるのですが、それこそが「纏足」によって自由を縛られ、場合によっては見せ物にされてしまった女性の悲しみを象徴しているようです。確かに、金魚鉢の金魚は行動を制限され、外からの見せ物になってしまっています。

 

 

 

 こうした「纏足」を見ていると、なにか現代にもあるように思うのです。私は、形は違うとはいえ、あの「ハイヒール」こそがある種、現代の「纏足」なのではないか?と一瞬思ってしまいました。

 お恥ずかしながら、私はなぜ女性がハイヒールをはくのか?自分なりに理解できていません。足をきれいにみせる、足をちいさくみせる。。。なんかそのような目的ではないのか?と勝手に思っています。でも、足を痛めるし、歩いてる様子を見ているとなんか痛々しい。

 ギャラリーには、若い人から子供、おばちゃんまでいろいろな人が気軽に入ってきていました。

 福田さんは、この絵を見た中国人の女性が、果たして何を感じているのか?それをものすごく知りたいとおっしゃっていました。ただ、意外にもそうしたことを質問する中国人の女性はほとんどいないのだそうです。

 私も、妻お気に入りの作品を1枚選ばせていただきました。ダイニングの壁に掛けさせていただこうと思っています。

(10月下旬まで開催中だそうです。場合によっては11月もあるとかです。)





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Tiny Shoes
上海でも、芸術家たちが活動するスペースが増えてきました。
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キリギリスが入るカゴを使った照明 
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

無添加のお酢

 私はお酢と豆腐が大好きです。毎日どこかのメニューに登場してくれないとたまりません。

 昨日も、夜遅くまで仕事があったのと、夜に人にあう約束があったので、食事は軽く野菜ワンタンで済ませたのですが、やっぱりお酢がたまらない。

 ただ、間違っても中国人の前では「喜欢吃醋」「喜欢吃豆腐」と言ったらいけません。前者は「やくもち」、後者は「スケベオヤジ」に間違えられます。 まあ、それはともかく。。。。

 そのお酢ですが、我が家で使っているお酢は、上海ではまだ珍しい無添加の黒酢です。味も比較的よく、私の結構お薦めの一つで、特にワンタンにはこのお酢が欠かせません。

 鎮江のメーカーが出している「恒順香醋」というのですが、最近、日本でもこのメーカーのお酢が健康食品として売り出されているのですね。CMをみてちょっとびっくりしました。そこまでしなくても、気軽に調味料として使えます。

 この「恒順香醋」は結構有名でして、上海では普通のスーパーで売られています。値段も普通の醋よりも多少高いですが、べらぼうに高くないので結構気楽に使えます。

 アレルギーの対策にも、やはりこうした無添加の食品が、地元スーパーでも気軽に手にはいるようになればいいのですが。秋になってアトピーを再発される方も少なくないので、折を見つけてここにご紹介します。



「恒順香醋」


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いい調味料はやっぱり欠かせません。
家の料理ではこだわりたいですね。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年10月26日

節約と浪費の狭間で

 妻の両親にあたる世代、年齢にして55歳以上ぐらいの世代でしょうか。
 端から見ていても、ものすごく節約を意識した生活をなさいます。

 今のこの浪費天国の上海の街がどうして生まれてきたのか?と不思議に思ってしまうほど節約に励まれているわけで、私たちの世代も見習わないといけないこともたくさんあります。

 上海のある新聞が、年長者がよく行う節約行為にどういうものがあるか?というアンケートを若い世代にとっていました。興味深かったのですこしご紹介すると。。。

 最も多かったのが、電気をこまめに消す、水を節約して使うというものでした。これはよく私も怒られます。時々、夜疲れてしまって電気をつけっぱなしに寝てしまうことがあるのですが、猛反省。いつも妻がこまめに消してくれています。
 そのほか、小便程度ではトイレを流さないという家庭の話もよく聞きます。でも、野菜洗いではしっかりと水を使っているので、その点は結構臨機応変なのかもしれませんね。ただ、私がお風呂にお湯をドバドバいれてお風呂にはっているのは、よく「水の無駄」と妻から言われます。
 確かに、水の豊かな日本だったらどうってことないかもしれませんが、きれいな水の不足している上海では問題になります。

 さらに、挙げられているのが「残ったおかずを最後まで食べる」という習慣。
 う〜ん、日本だったら結構あたりまえだったりするのですが、最近の上海の若者は、食の「もったいない」に対する意識が低いように思います。学食の残飯入れをみると、平気でご飯を捨てていますし。レストランにいっても相変わらず残飯の山。うちの義母は、残飯がでるといつでもしっかりと弁当箱にいれて持って帰ります。

 自慢じゃないのですが、我が家3人で食べにいっても、まず残飯は出しません。メニューの注文の仕方も心得たモノです。

10月30日、親戚や親友たちを集めて1歳の誕生のお祝いを中国式に挙行することになりました。


 だけど、若い世代はそうした年長者の行為に対して、栄養の問題を注意せずにやるのは行き過ぎでは?という意見も聞かれています。栄養云々より、少しでも節約したいという彼らの思いが伝わってきます。
 ただ、そうして質素倹約をしたほうが、この飽食の時代では健康で長生きできるというような気もします。食費も医療費も節約できますし。

 空調があるのに、ほとんど使おうとしない、というのも多くの若者が挙げていました。これは納得です。うちの妻の実家でも、エアコンがあるのに、真夏の暑いときに使っていたことが一度もなかったです。エアコンが嫌い、というのも関係があると思いますが。本当に省エネ生活なのです。

 多少の距離ならバスに乗るよりも歩く。彼らは本当によく歩きます。以前、義父に万歩計をプレゼントしたのですが、あっという間に2万歩ぐらいいってしまうんです。私は目を丸くしました。私の患者さん、その多くは1万歩を歩くのも大変だというのに。

 こうした節約の美徳。過去の上海でもしっかりと根付いていたのでしたが、いつの間にか、若者たちの間では「浪費」が広まっています。私も人のことを言える立場でもないのですが、そうしたよい習慣は残していきたいものです。

 とりあえず、私の娘は1日の大部分をそうした義母・義父たちの家で過ごしています。なにかすこしでも体得できることがあればいいのに、と思います。

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節約は中国人も美徳だと思っています。
世代の違いがあまりにも顕著な上海です。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類