2009年10月19日

御守棉

 上海地下鉄の車内の広告は、なんかすごい。

 Googleのモバイル向けの広告もそうでしたが、一つの編成の広告はみんな一緒なんです。日本の地下鉄ではよっぽどのことがないかぎり考えられない掲出方法ですが、でもインパクトという面では、この方が強烈かもしれません。

 最近、よく巡り会うのが「御守棉」の広告の編成。「御守」という表現は、中国語ではほとんど使わないので、おそらく日本語などからの影響か。。。
 
 それはともかく、いったい何の広告なんかと思ったら、女性の生理用品だったんですね。1編成全部が生理用品の広告というのも、思い切った戦略です。
 しかし、なかなかのネーミングだとほんの少し感心しました。

 でも確かに、地下鉄2号線を乗っていたら、日本の地下鉄と比較しても乗客の中で若い女性が占める割合が高いようにも思います。さすが共働きが多い上海。広告にもそうしたことが反映されているのでしょうか。

 今朝、私が座った向かいにいる若いカップルは、朝っぱらからイチャイチャしているし。なにも混雑した列車の中でキスまでしなくていいでしょう。。。。あんまり人の目が気にならないのでしょうね。でもかなり濃厚でした。、まったくもう。

 しかし、これだけ涼しくなったのに、エアコンは相変わらずガンガンです。晩秋に入ろうとする時期、まだプラットホームより車内の方が温度がずっと低く、まるで冷蔵庫に入るような感じです。見るからに凍えている人も多数。上海地下鉄2号線は、強烈な冷房で有名なので、ご利用される時はご注意ください。
 並の涼しさではありません。

列車のドアにもばっちり


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もう少し省エネ意識があってもいいように思います。
冷蔵庫地下鉄が走る
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年10月18日

上海松江での研修会

 ご無沙汰しました。
 娘を実家に送っていったりしてバタバタしているうちに、ブログを書く時間を逸してしまいました。

 この週末は、上海市衛生局中医薬管理処が主催する研修会に妻と参加してきました。なんせ、私の職場と妻の職場が上海市内でもあまりにも離れているため、一緒に会えると言ったらこういうチャンスしかないんです。でも、仕事で共通項があるというのは嬉しい。

 さて、地下鉄9号線が開通してから、松江に行くのが非常にラクになりました。浦東の我が家からでも、地下鉄を乗り継いで2時間程度でいけます。これはものすごいことです。
 今回の研修会は上海の西側に位置する松江区で開かれました。私はこうした研修会には声がかかったら休みの日であろうと必ず参加するようにしています。

 上海市では今、地域医療で中医学を実践する試みを積極的に行っています。そのためには、まず第一線で働く、特に私の妻のように社区衛生サービスセンターに勤務する医師に様々な中医学の技術を身につけてもらわないといけません。

 社区衛生サービスセンターというのは、上海各地にありますが、救急疾患の治療や最先端の治療をするというよりも、むしろホームドクター的な役割が求められています。高齢者の在宅ケアのアドバイスをするのもこうした病院です。妻も訪問診療に出たりすることもあります。

 以前は、大卒の医師が社区衛生サービスセンターには少なかったのですが、今では大学院修了の医師も就職するようになり、市政府も育成に力を入れています。そういった意味でも、うちの小さなクリニックでも同じような役割が求められていますよね。患者さんに接しながら、いろいろ私も考えています。いま、中医学でなにができるのか?

地中海だそうです


 上海市では、その中でも重点的に普及させる必要がある中医学の医療技術12項目を指定しており、医師のトレーニングもその中から行われます。

 今回は、推拿功法易筋経の活用や頸椎病を予防するための養生功、針灸を使った老年性膝関節炎の治療、さらに針刀割刺法を使った偏平疣(イボ)の治療、小児科で有名な董氏の小児科指圧法などが紹介されました。

 推拿功法易筋経はなかなかいいですねえ。私も、医学部時代、学内の大会に参加し、一応賞をもらいました。(2等賞だったかな?)
 動作が簡単で、かつ適度に体を動かせ、体をリラックスさせることもできます。上海市でも、地域のお年寄りなどを中心に、いま普及に力を入れています。
 この易筋経が、高齢者の骨格筋減少症に効果があるということが最近分かってきたようです。私は個人的には高血圧症などの治療にも効果があるのではないかと見ています。呼吸を深くすることで、意識をゆったりと集中させることもできるからです。

 こうした医療技術は、我々の世代の医師も勉強して継承していかなければなりません。それが今、新しい世代の中国伝統医学の医師に求められています。

 なかなか充実した週末でした。
 しかし、秋になって上海は過ごしやすくなりましたね!

頸椎病を予防するための養生功の練習中


 さて、松江区の地下鉄松江新城駅近くの街並みは本当にびっくりするぐらい気持ちよく整備されています。空気も市の中心と比べると格段にいいですし、何よりも人が少ない。

 なんか人口密度の高い・低いがこれほどまで人間の情緒に影響を与えるのか、実感できるぐらいです。


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伝統医学の継承もがんばらないと
易筋経をやりすぎて筋肉痛です。。。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年10月17日

肥満者は新型インフルエンザが重症化しやすい

 『甲型H1N1流感診療方案』の最新版(第三版改訂版)が10月13日に公表されました。中国衛生部がまとめたものですが、西洋医学と中医学両方について治療案がでています。

 西洋医学、中医学双方の治療案を見てみると、いずれも新型インフルエンザ重症患者についての治療方案が詳しく紹介されていました。上海でも現在2例の重症患者の報告があります。

 重症患者に関して、X線検査で肺炎の症状がみられるほか、血液中のCK(クレアチンキナーゼ)、及びCK-MBの値が急激に上昇するという記述が増えていました。

 また、中医学(漢方)による治療案でも、新型インフルエンザ重症例の弁証に、新たに熱毒壅肺型が加えられました。これにより、新型インフルエンザに対する中医学での治療方案では、軽症が2パターン、重症が2パターンになり、あわせて4パターンになっています。

 さらに、新方案では肥満傾向の人も、新型インフルエンザの重症例になりやすいということも付け加えられました。BMI40以上の人は要注意、BMIが30〜39の人も注意が必要であるとしています。肥満の人の多くは代謝疾患をもっていて、これが新型インフルエンザの症状を悪化させる原因になっていると考えられています。

 もちろん、従来通りの記述として、妊婦・5歳以下の子供、65歳以上の高齢者・慢性疾患や免疫力が低下している人も注意が必要です。そのため、こうした人は早く新型インフルエンザであることを確定する検査が必要であるとしています。

 新型インフルエンザの上海市でのワクチン接種ですが、すでに第一線の医療感染者を対象とした接種がはじまっています。医療関係者以外にも、小中学生も無料の重点接種対象のリストに入っています。

 

 また、同時に季節性インフルエンザの予防接種にも力をいれていて、2009年2月末までに上海市民500万人を対象に行われるということです。学校の先生、60歳以上の高齢者、小中学生に関しても重要接種対象とされていて、無料接種が実施されます。

 上海市の場合、地域の社区衛生サービスセンターが季節性インフルエンザの予防接種を担当し、患者自己負担で行われますが、重点接種対象者に対しては、無料となるため、市政府が接種スケジュールを手配するということです。

 海外の研究でも、季節性インフルエンザの予防接種をしておくと、新型インフルエンザの対策にもなんらかの効果があることも分かっており、そうした観点からも、上海市政府は季節性インフルエンザの予防接種に力をいれていることが分かります。

 この季節性と新型インフルエンザの2種類のワクチンですが、左右の手に同時に接種することもありますし、2週間の間隔をあけて接種する場合もあります。

 ちなみに上海市の場合、新型インフルエンザワクチンの接種は10月15日〜12月末まで、季節性インフルエンザの予防接種は2009年11月中旬から2010年2月頃まで実施されるということです。

 では、今日はこれから衛生局の勉強会にいってきます。目的地は松江。。。妻は昨夜から松江入りしてますが、私は仕事で間に合わなかったので早朝の出発です。
 まだ薄暗いですが、地下鉄9号線目指して出発!

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上海市のインフルエンザ対策
動き出しています
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類