大抵の方は自覚症状がなく、そのため日本での健康診断で「血圧がちょっと高いですね。」といわれ、そのまま放置し、いざ気がついたら「こりゃいかん!」というレベルというにまでになってしまっている日本人の方が昨日数人いらっしゃいました。
いずれも、血圧とは別の問題で治療に来られたのですが、ついででも問題が見つかって手を打ててよかったと思っています。高血圧の状態が体の中であたりまえになってしまうと、本人も気がつかないことが多々あるのです。
上海市でも高血圧の問題がますます問題視されています。市衛生局のデータでは、2008年度の調査で、18歳以上の成人のうち23.6%で高血圧が見つかっており、その数は300万人にもなっています。また、高血圧の発生率も5年前と比較して5.6%の増加ということです。
上海生活特有のストレスなどともちろん関係がありますが、上海市当局が注目しているのが食塩の摂取量。中国衛生部などがまとめた『中国居民膳食指南』では、中国人の目標食塩摂取量は1日6グラム未満。ところが、上海人を例に取ると、その量は12グラムにもなっています。そのためのさじも市政府から配られました。皆さんのお宅にもありますか?我が家でも
使っています。
10月8日は、中国の高血圧予防デーでもあり、こうしたPRが各地で行われています。味付けの濃い、おいしく感じられる上海の外食産業などはともかく、家庭料理でも最近かなりの食塩を使っています。やはり日頃から薄味を心がけることは大切です。
高血圧の予防は、脳卒中や心臓病、慢性腎臓病の予防にも欠かせません。また、急激な血圧の異常が見られる場合は、原因究明のため、きっちりと検査を受けられることをお勧めします。
ちなみに、中医学や漢方薬の世界でも、血圧に効果があるといわれているものが少なくありません。下にいくつかその例をご紹介しておきます。降圧のメカニズムも簡単に併記しておきました。
もちろん、実際に使うときは、症状を照らし合わせて配合します。1つの生薬にはさまざまな作用が複合されていますから注意が必要なのです。
・血管を拡張するもの・・・益母草・赤芍・黄芩・防己・鈎藤・羅布麻葉など
・利尿剤てきな作用があるもの・・・杜仲・茯苓・沢瀉・扁蓄・防己・羅布麻葉など
・Ca拮抗的な作用があるもの・・・川芎・当帰・紅花・丹参・葶藶子・龍眼肉・防己・肉桂・桑白皮・前胡・藁本・五味子・羌活・独活・茵陳蒿・海金沙など。
・中枢性の血圧降下作用・・・遠志・酸棗仁など。
・β遮断薬的な作用をするもの・・・仙霊脾・仏手・葛根など。
・アンジオテンシンU受容体拮抗薬的な作用をするもの・・・山査子・何首烏・紅花・沢瀉・牛膝・半夏・細辛・白芍・板蘭根・胆南星・木香・細辛・降香など。
あと、地龍・全蠍などにも血圧を下げる作用があるといわれています。
実際にはもっとありますが、きっとこうした生薬の中から、健康食品とか保健機能食品が開発されるのでしょうね。
ご参考までに。
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まずはイライラしないこと。
高血圧が増えている上海
