西洋医学、中医学双方の治療案を見てみると、いずれも新型インフルエンザ重症患者についての治療方案が詳しく紹介されていました。上海でも現在2例の重症患者の報告があります。
重症患者に関して、X線検査で肺炎の症状がみられるほか、血液中のCK(クレアチンキナーゼ)、及びCK-MBの値が急激に上昇するという記述が増えていました。
また、中医学(漢方)による治療案でも、新型インフルエンザ重症例の弁証に、新たに熱毒壅肺型が加えられました。これにより、新型インフルエンザに対する中医学での治療方案では、軽症が2パターン、重症が2パターンになり、あわせて4パターンになっています。
さらに、新方案では肥満傾向の人も、新型インフルエンザの重症例になりやすいということも付け加えられました。BMI40以上の人は要注意、BMIが30〜39の人も注意が必要であるとしています。肥満の人の多くは代謝疾患をもっていて、これが新型インフルエンザの症状を悪化させる原因になっていると考えられています。
もちろん、従来通りの記述として、妊婦・5歳以下の子供、65歳以上の高齢者・慢性疾患や免疫力が低下している人も注意が必要です。そのため、こうした人は早く新型インフルエンザであることを確定する検査が必要であるとしています。
新型インフルエンザの上海市でのワクチン接種ですが、すでに第一線の医療感染者を対象とした接種がはじまっています。医療関係者以外にも、小中学生も無料の重点接種対象のリストに入っています。
また、同時に季節性インフルエンザの予防接種にも力をいれていて、2009年2月末までに上海市民500万人を対象に行われるということです。学校の先生、60歳以上の高齢者、小中学生に関しても重要接種対象とされていて、無料接種が実施されます。
上海市の場合、地域の社区衛生サービスセンターが季節性インフルエンザの予防接種を担当し、患者自己負担で行われますが、重点接種対象者に対しては、無料となるため、市政府が接種スケジュールを手配するということです。
海外の研究でも、季節性インフルエンザの予防接種をしておくと、新型インフルエンザの対策にもなんらかの効果があることも分かっており、そうした観点からも、上海市政府は季節性インフルエンザの予防接種に力をいれていることが分かります。
この季節性と新型インフルエンザの2種類のワクチンですが、左右の手に同時に接種することもありますし、2週間の間隔をあけて接種する場合もあります。
ちなみに上海市の場合、新型インフルエンザワクチンの接種は10月15日〜12月末まで、季節性インフルエンザの予防接種は2009年11月中旬から2010年2月頃まで実施されるということです。
では、今日はこれから衛生局の勉強会にいってきます。目的地は松江。。。妻は昨夜から松江入りしてますが、私は仕事で間に合わなかったので早朝の出発です。
まだ薄暗いですが、地下鉄9号線目指して出発!
中国ブログランキングへ
上海市のインフルエンザ対策。
動き出しています
