2009年10月18日

上海松江での研修会

 ご無沙汰しました。
 娘を実家に送っていったりしてバタバタしているうちに、ブログを書く時間を逸してしまいました。

 この週末は、上海市衛生局中医薬管理処が主催する研修会に妻と参加してきました。なんせ、私の職場と妻の職場が上海市内でもあまりにも離れているため、一緒に会えると言ったらこういうチャンスしかないんです。でも、仕事で共通項があるというのは嬉しい。

 さて、地下鉄9号線が開通してから、松江に行くのが非常にラクになりました。浦東の我が家からでも、地下鉄を乗り継いで2時間程度でいけます。これはものすごいことです。
 今回の研修会は上海の西側に位置する松江区で開かれました。私はこうした研修会には声がかかったら休みの日であろうと必ず参加するようにしています。

 上海市では今、地域医療で中医学を実践する試みを積極的に行っています。そのためには、まず第一線で働く、特に私の妻のように社区衛生サービスセンターに勤務する医師に様々な中医学の技術を身につけてもらわないといけません。

 社区衛生サービスセンターというのは、上海各地にありますが、救急疾患の治療や最先端の治療をするというよりも、むしろホームドクター的な役割が求められています。高齢者の在宅ケアのアドバイスをするのもこうした病院です。妻も訪問診療に出たりすることもあります。

 以前は、大卒の医師が社区衛生サービスセンターには少なかったのですが、今では大学院修了の医師も就職するようになり、市政府も育成に力を入れています。そういった意味でも、うちの小さなクリニックでも同じような役割が求められていますよね。患者さんに接しながら、いろいろ私も考えています。いま、中医学でなにができるのか?

地中海だそうです


 上海市では、その中でも重点的に普及させる必要がある中医学の医療技術12項目を指定しており、医師のトレーニングもその中から行われます。

 今回は、推拿功法易筋経の活用や頸椎病を予防するための養生功、針灸を使った老年性膝関節炎の治療、さらに針刀割刺法を使った偏平疣(イボ)の治療、小児科で有名な董氏の小児科指圧法などが紹介されました。

 推拿功法易筋経はなかなかいいですねえ。私も、医学部時代、学内の大会に参加し、一応賞をもらいました。(2等賞だったかな?)
 動作が簡単で、かつ適度に体を動かせ、体をリラックスさせることもできます。上海市でも、地域のお年寄りなどを中心に、いま普及に力を入れています。
 この易筋経が、高齢者の骨格筋減少症に効果があるということが最近分かってきたようです。私は個人的には高血圧症などの治療にも効果があるのではないかと見ています。呼吸を深くすることで、意識をゆったりと集中させることもできるからです。

 こうした医療技術は、我々の世代の医師も勉強して継承していかなければなりません。それが今、新しい世代の中国伝統医学の医師に求められています。

 なかなか充実した週末でした。
 しかし、秋になって上海は過ごしやすくなりましたね!

頸椎病を予防するための養生功の練習中


 さて、松江区の地下鉄松江新城駅近くの街並みは本当にびっくりするぐらい気持ちよく整備されています。空気も市の中心と比べると格段にいいですし、何よりも人が少ない。

 なんか人口密度の高い・低いがこれほどまで人間の情緒に影響を与えるのか、実感できるぐらいです。


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伝統医学の継承もがんばらないと
易筋経をやりすぎて筋肉痛です。。。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類