この異国上海で、ふとしたことから知り合った友達の1人、福田さかえさんの個展が上海で開かれました。
デザイナーやイラストレーターとして東京を中心に活躍されており、「女性」の内面を鋭く描写した作品と、中国的要素を取り入れた不思議さに、私も是非みたいと思って出かけてきました。
場所は、上海南京西路1025弄37号にあるかわいいギャラリー、「plum.」。(13:00〜22:00)台湾人が経営しているギャラリーで、上海のオールドアパートの中にひっそりとたたずんでいます。台湾人の間では、結構有名です。
南京西路の近代的な高級ブランド店街と喧噪からは想像もできない空間が、路地裏を一本入ったところにあり、なんか嬉しくなってしまいます。
ギャラリーに入ると、いきなり正面の壁に福田さんが壁画を描いておられました。
まずは「ごぶさたしおります。」とご挨拶。壁面いっぱいに、すでに福田ワールドの上海が広がっているではないですか!
実は、「Tiny Shoes」というテーマを福田さんから伺ったとき、恥ずかしながら、私はすぐにそれが「纏足」ということに反応ができませんでした。
しかし、改めて絵を鑑賞させてもらったら、福田さんがなぜこういうテーマを選んだのか、少しずつ分かってきたような気持ちになりました。
「纏足」と聞いても、歴史の上で知っていても、実際それがどのようなことだったのか、私には知るよしもありません。でも、私の妻ぐらいの世代だと、実際に見たことがあるといいますし、まだ私たちに近い時代の事だとも言えます。
今でも博物館などにいけば、様々な「纏足」が見られます。あまりにもきれいに刺繍された作品をみると、そのきらびやかさとその内面に秘める残酷さのギャップの大きさに驚かされます。
絵のなかでは、纏足を履いた女性が様々な表情で描かれています。外から見ると楽しそうだけど、どこかもの悲しい色を帯びています。女の子たちの表情が、独特なんです。
絵には、「金魚鉢」が時々出てくるのですが、それこそが「纏足」によって自由を縛られ、場合によっては見せ物にされてしまった女性の悲しみを象徴しているようです。確かに、金魚鉢の金魚は行動を制限され、外からの見せ物になってしまっています。
こうした「纏足」を見ていると、なにか現代にもあるように思うのです。私は、形は違うとはいえ、あの「ハイヒール」こそがある種、現代の「纏足」なのではないか?と一瞬思ってしまいました。
お恥ずかしながら、私はなぜ女性がハイヒールをはくのか?自分なりに理解できていません。足をきれいにみせる、足をちいさくみせる。。。なんかそのような目的ではないのか?と勝手に思っています。でも、足を痛めるし、歩いてる様子を見ているとなんか痛々しい。
ギャラリーには、若い人から子供、おばちゃんまでいろいろな人が気軽に入ってきていました。
福田さんは、この絵を見た中国人の女性が、果たして何を感じているのか?それをものすごく知りたいとおっしゃっていました。ただ、意外にもそうしたことを質問する中国人の女性はほとんどいないのだそうです。
私も、妻お気に入りの作品を1枚選ばせていただきました。ダイニングの壁に掛けさせていただこうと思っています。
(10月下旬まで開催中だそうです。場合によっては11月もあるとかです。)
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Tiny Shoes。
上海でも、芸術家たちが活動するスペースが増えてきました。
キリギリスが入るカゴを使った照明
posted by 藤田 康介 at 00:00|
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