上海で生まれ育った生粋の上海人ですが、その妻が今回の日本滞在で私に言いました。
「日本はまだまだ中国の先を行っている」と。
正直な感想だと思います。
2010年、中国が日本のGDPを追い抜くとかなんとか巷では騒いでいますが、国がでかいわけですから、抜かれてもぜんぜん不思議ではない。むしろ、過去が低すぎたわけです。それと、我々の日常と密接に関係していることとして、社会全体が成熟し、健全な生活がおくられるというのは別問題です。
中国が日本のように整ったインフラと社会環境を整備し、人民全体がそこそこの生活ができるようになるのには、いつのことか?これに関しては、また別の次元での討論が必要になると思います。とても、今の日本の現状と同じ舞台で討論できるわけではなく、それだけ今の中国ではやらなければならないことが多い。
両国を何かなしに比較するということはナンセンスですが、万博を目前に控えて、都市開発という角度にしぼって比較しても、やはりその差は歴然としています。残念ながら、多くの中国人が日本に行くことができないので、その差を肌身で感じることができませんが・・・。 でも、日本にいった私の中国人の友人のほぼ100パーセントが、日本のすごさを実感して帰ってきています。これは紛れもない事実です。
我々日本人は、もっと自分たちのやってきたことに自信を持つべきだと思います。全世界からみると、決して日本は捨てたものではない。マナーにしても、教育レベルからしても、食べ物もサービスも、国全体で比較するとトップクラスであることは間違いないです。そりゃランキングは多少上下するかもしれませんが、国全体からみると、ハイレベルであることは間違いない。
そして、もう一つ大切なこと。特に、妻が日本滞在でもっとも感心したことなのですが、それは、日本ではどんな職業の人たちも、真剣に自分に与えられた仕事をしているという「職業精神」だといいます。
日本では、たこ焼きやのおばちゃんも、真剣にたこ焼きを作っていました。こういう姿は、中国ではなかなか見られません。
例えば、やる気なさそうに貧乏揺すりしながら地下鉄の駅のプラットホームに立っている上海の駅員さんの姿をみていると、「これで安全は大丈夫なのだろうか?」と不安を感じてしまうのは、私だけではないと思います。
昨今、貧富の差が日本でも出てきたとはいえ、明らかに中国ほどではありません。我々はもっと自信をもって、自分たちのやり方で前へ進むべきなのだと思います。今の中国がそうであるように。
そして、今我々日本人がやらなければならないのは、理論や理屈ばかり並べて膠着してしまうのではなく、気がついたらなんでも「自分でやってみる」という自立・自発の精神なのだと思います。この点、中国人はやりますからね。
私は日本を離れて15年近くになりますが、海外で過ごす時間が長くなればなるほど、日本の底力を実感しています。
絶対まだまだ負けませんよ!
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