2010年01月03日

まだまだ負けない

 今回、生まれて初めて中国を出た私の妻。
 上海で生まれ育った生粋の上海人ですが、その妻が今回の日本滞在で私に言いました。

「日本はまだまだ中国の先を行っている」と。

 正直な感想だと思います。

 2010年、中国が日本のGDPを追い抜くとかなんとか巷では騒いでいますが、国がでかいわけですから、抜かれてもぜんぜん不思議ではない。むしろ、過去が低すぎたわけです。それと、我々の日常と密接に関係していることとして、社会全体が成熟し、健全な生活がおくられるというのは別問題です。

 中国が日本のように整ったインフラと社会環境を整備し、人民全体がそこそこの生活ができるようになるのには、いつのことか?これに関しては、また別の次元での討論が必要になると思います。とても、今の日本の現状と同じ舞台で討論できるわけではなく、それだけ今の中国ではやらなければならないことが多い。

 両国を何かなしに比較するということはナンセンスですが、万博を目前に控えて、都市開発という角度にしぼって比較しても、やはりその差は歴然としています。残念ながら、多くの中国人が日本に行くことができないので、その差を肌身で感じることができませんが・・・。 でも、日本にいった私の中国人の友人のほぼ100パーセントが、日本のすごさを実感して帰ってきています。これは紛れもない事実です。

 我々日本人は、もっと自分たちのやってきたことに自信を持つべきだと思います。全世界からみると、決して日本は捨てたものではない。マナーにしても、教育レベルからしても、食べ物もサービスも、国全体で比較するとトップクラスであることは間違いないです。そりゃランキングは多少上下するかもしれませんが、国全体からみると、ハイレベルであることは間違いない。

 そして、もう一つ大切なこと。特に、妻が日本滞在でもっとも感心したことなのですが、それは、日本ではどんな職業の人たちも、真剣に自分に与えられた仕事をしているという「職業精神」だといいます。
 日本では、たこ焼きやのおばちゃんも、真剣にたこ焼きを作っていました。こういう姿は、中国ではなかなか見られません。
 例えば、やる気なさそうに貧乏揺すりしながら地下鉄の駅のプラットホームに立っている上海の駅員さんの姿をみていると、「これで安全は大丈夫なのだろうか?」と不安を感じてしまうのは、私だけではないと思います。
 
 昨今、貧富の差が日本でも出てきたとはいえ、明らかに中国ほどではありません。我々はもっと自信をもって、自分たちのやり方で前へ進むべきなのだと思います。今の中国がそうであるように。

 そして、今我々日本人がやらなければならないのは、理論や理屈ばかり並べて膠着してしまうのではなく、気がついたらなんでも「自分でやってみる」という自立・自発の精神なのだと思います。この点、中国人はやりますからね。

 私は日本を離れて15年近くになりますが、海外で過ごす時間が長くなればなるほど、日本の底力を実感しています。

 絶対まだまだ負けませんよ!

中国ブログランキングへ

「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

悲哀

 今日もまた新しい道路を走ってきました。

 (浦東空港からの中環状線が完成して、浦東エリアの内環状線高架道路へのアクセスがものすごくよくなり、世紀公園にある我が家から空港までは5分短縮され25分以内で行けるようになりました。)

 上海は新しいものがどんどん増えていきます。

 昨日あったものが、次の瞬間につぶされ、ぴかぴかのものが目の前に完成している。

 でも、そんなぴかぴかのものがみられるのはごく一部の場所だけで、街を外れると必ずしもそうではありません。そして無駄にぴかぴかにされているものも少なくないような気もします。

 上海の街がいつまでたっても成熟できないのも、そのあたりに理由があるのかも。

 10年もたたずに取り壊されるものだから、成熟しようがないんです。

 経済の発展は、そうした古いものがつぶされることで達成されていくのなら、儲かるのは一部の政治家や土建屋さんだけで、上海の大部分の庶民にとってはありがた迷惑なのかも。

 変わらないことも立派な発展であることも、我々は知らないと行けないのかも。

 そんなことをふと思いました。

中国ブログランキングへ

「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類