彼の生き方は、私とはある意味まったく対称的です。高校卒業後、京都大学にストレートに入学し、卒業後、大手商社に入社、海外勤務もされ、もちろん日本人と結婚して子供もいて、今では世界を股にかけて活躍されています。彼曰く「絵に描いたような人生」だそうで、10年後には課長、20年後には部長というような絵も描けてていて、退職するまでの自分の姿が、いろいろ想像できてしまうと言うのです。それがまた彼なりに悩みだそうですが、話を聞いているとなるほど!と思いました。
一方で、私は高校卒業後、中国へ飛んできて、中国で教育を受け、中国という社会で格闘し、中国人の嫁さんと結婚し、そのまま上海で仕事を続けて、という歩みとは全然違います。ある意味、中国で中医学や漢方という、日本人があまりやっていないことをやっているだけに、レールもまったくなく、10年後、20年後どこで何をやっているのか検討もつきません。ただ、これをやっていけばきっと世の中に役立てるという「信念」があるだけで、ひたすら前に進んできました。
どっちがいいという話ではありません。
うちのサイトのブログを色々みてみると、多くの皆さんは中国で活躍されていて、結構おもしろ経歴の方が多いのですが、逆に私の友達のようなスムーズな?経歴で活躍している人があまりいらっしゃりませんよね。
彼といろいろ話して、そうした日本人がかつて絵に描いたような生き方がものすごく新鮮に感じ、あたりまえですが、生き方というのは本当にいろいろあるのだなと実感しました。
この日、話をしながら、たとえば、我々2人の生き方で決定的に違っている点があると思うのです。
私の友人の場合は、会社が巨大なので、とにかく組織の中で自分の力を発揮しなければならない。逆に、組織に尽くせば、ある程度の収入も保証されているし、会社もどんどん大きくなる。
でも、私の場合は、組織が小さいのでなにが起ころうと個人の力でがんばらなければならない。極端な話、「藤田 康介」という生身の人間が、時には「藤田 康介」のために営業活動もしないといけないし、小さな組織の中ではどんなこともやり、仕事をこなしていかないいけません。
逆に、会社や組織などのネームバリュウ−がない分、そうした会社や組織がなくなっても、なんと一人でがんばっていけるわけですが、これは大きな組織にいる場合と感覚的に違います。
中国人で起業を目指す人が多いのも、中国社会の混沌な世の中で生き抜くすべだと思います。会社や組織だけでなく、社会ですらまだまだ不安定なことが多く、結局自分たちでなにかやらないとお金も稼げないし、先が見えてこないのでしょう。
でも、我々2人に共通していることがありました。それは、今の生活に幸せを感じ、毎日が充実しているという点。
結局、体さえ元気であれば、いくらでも先はみえてくる、そう思います。
今日もがんばりましょう!
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「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて