2010年01月20日

上海のバリアフリータクシー

 万博が近くなってからか、最近急速に見かけるようになったのが、バリアフリータクシー。中国語では「无障碍出租车」といいます。

 私のクリニックでも、交通事故の後遺症などで来られる患者さんもおり、そんなとき、もっと便利な乗り物がないのか、いろいろ検討してみました。

 私が知っているだけで、2種類あります。

 まずは、ワンボックスタイプ。車の後ろにリフトがあり、そこに車いすごとお客さんを乗せて運ぶタイプ。まだ台数は少なく、市内で走っているのは30台程度。主に、「陽光カード」を持っている身体障害者を中心に利用されています。

  「陽光カード」を持っていたら、ワンボックスタイプのタクシーにかかわらず、運賃が3割引となります。大変結構な制度だと思います。

 しかし、このカードを取得するのが難しい。まず、上海戸籍が必要で、さらに障害者証を取得している中重度の障害者でなければこの待遇はうけられません。実質、足腰が不自由程度の高齢者では使えないし、障害者証の取得となればハードルはかなり高いです。 

 ところが、このカードはすでに3万枚も上海市内で発行されていて、早くから予定を入れないと車が使えないというのが現実。正直、あまり機能しているようには思えません。

 私も、町歩きの時に、何度かこのワンボックスカーを目撃しています。車に、障害者のマークが貼ってありますので、それとすぐわかると思います。

 しかし、予約が難しいとなると、困りますね。

 そのほかに、リフトまで行かなくても、乗り降りが比較的楽なバリアフリータクシーが、大衆タクシーにあります。
 サンタナVistaタイプの新車セダンで時々見かけ、私も何回か偶然にも利用させてもらったことがあります。

 2009年度の地点では、新しく配置するタクシー、400台に対してバリアフリーに対応する設備をつけるという計画が市政府から出されています。

 どういう装置かというと、助手席の椅子が外側に向けて回転し、乗り降りがラクになるというものです。見た感じ、普通のシートなので気がつきませんが、よく見ると、違いがわかります。今日、また偶然にも乗車できたので写真をとっておきました。

 この手のタクシーなら、台数が結構あるようで、大衆タクシーの場合、96222に電話すれば手配OKです。

 運転手によると、この装置をつかうようなお客さんは実際ほとんどいないようで、1週間で1〜2回使えば多い方だそうです。むむ、宝の持ち腐れですよね。

 弱い人に優しくない上海の街ですが、万博を機に改善していきたいという意気込みは感じられますね。ガンバレ!と応援したいところです。

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「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて


posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類