2010年02月05日

移民

 アイさんが帰省してしまったため、義母が我が家の娘の面倒を手伝ってくれています。0歳〜3歳までの託児所制度がない上海。親戚や家族の助けがなければとてもまわっていきません。
 我々夫婦も時間差出勤でなんとか娘の世話ができるようにしていますが、義母やたまに自転車で浦東新区までやってくる義父には感謝です。

 さて、義母はものすごく人付き合いが好きなので、マンションの広場に集る親子グループとはすぐに友達になってきます。中国人女性のこの能力には感心します。
 そこで、知ったのですが、うちの住宅地には移民している人が非常に多いのだそうです。

 我が家の隣は、カナダ・バンクーバーに移民成功した元大陸人。ご主人は芸術家系で、なかなかのインテリだそうです。反対側の隣は、もうすぐオーストラリアへの移民に成功するのだとか。会社経営をしていて、結構羽振りがいいです。

 日本人の若者が最近、日本国内でのスロー生活にどっぷり浸かるようになってきているのですが、これとは対照的に中国人の心は外に向いていますね。

 こうした移民行為の根本理由には、中国人は祖国が嫌い、というような単純な問題ではなく、彼らの多くが絶えず新天地を求めて動いているように思うのです。残念ながら、最近の日本人にはこの機動力があまり感じられなくなったと思います。それが、社会全体に重苦しさを漂わせているのだと思います。

 一方で、上海にくる外国人の数もかなり増えています。昨日も出勤途中に3人、今日も2人の西洋人に英語で道を聞かれました。ついでに「どこから来たの?」と聞くと、ドイツ・アメリカ・フランス・英国などなど世界各国です。大阪では、まず私は道聞かれませんからね。

 なんやかんや言っても、中国は世界各国から人間を呼び集めています。そんな魅力が、日本には欠けてしまったのでしょうか?

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「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

新生児の置き去り問題

 医療に携わっていると、毎日のように健康や生命に関する問題を自ら考え込んでしまいます。
 大学病院にいた頃、亡くなった患者さんの遺族を目の前に、さまざまな事後処理をするのも医師の仕事なのですが、日本と中国の文化の違いに、かなり戸惑ったことが多々ありました。

 最近は人類の誕生、不妊の問題をいろいろ考えさせることが増えました。不妊問題は中医学や漢方で成功するケースもあれば、うまくいかないケースもあり決して一筋縄ではいきません。生命の誕生がいかに尊く、偶然性にあふれ、そして我々の生活に潤いを与えてくれるのか、感じることろが多いです。というわけで、今朝は数限りあるものは大切に・・・不妊の問題を思いつくままに書いてみました。

 以前もこのブログで紹介しましたが、中国の新聞では病院などに置き去りされた新生児に関して、親探しのために写真入りで公表する制度があります。今日も、広州の新聞を読んでいたとき、そのコーナーを見つけました。

 日本でも熊本県の「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の問題が、討論された時期がありました。日本人が赤ちゃんポストに赤ちゃんを預ける理由について、「戸籍に入れたくない」(8人)、「生活困窮」(7人)、「不倫」(5人)、「世間体が悪い」「未婚なので」(各3人)といったことが公表されています。

 

 一方で、中国の場合、すこし事情が違います。
 新聞で公表された病院や公園、寝台列車、道ばたで置き去りされた赤ちゃんは大抵生後2〜3日です。くわしく記事を見てみると、大抵先天的な問題を持っている赤ちゃんに多く、その中でも特に多いのが、口唇裂症。有名な話では、中国の芸能界で、リー・ヤーポン(李亜鵬)とフェイ・ウォン(王菲)夫妻が、「嫣然天使基金」を設立し、口唇裂症の子供を救うために活動していることが有名ですが、この夫婦の娘も口唇裂症でした。日本円で換算すると5億円以上の寄付金が集まったと言います。中国では、障害者に対しての偏見がまだまだあり、障害が見つかっただけで、平気に子供を捨ててしまう、そんな風潮がまだまだ根強いのは事実です。人口が多い国ですから。。。そして、健常者が、やっと「小健」レベルに達したか、達しないかという状態ですから、障害者の問題までとても政策が追いついていません。
 性別では圧倒的に女の子が多いです。公表された38人中33人が女の子でした。上海では、最近でこそ、男の子よりも女の子が好まれるようになっているようですが、地方では相変わらず女の子が置き去りにされることが多いように思います。

 道徳的な考え方が、日本と中国大陸とではあまりにも違いすぎて、上海15年目になった私でも、戸惑うことがたくさんあります。むしろ、台湾や香港、韓国などの人々のほうが、倫理観では共通することが多いと思います。でも、そんな国中国を日本は隣国としてもっている現実をやはり直視すべきなのでしょうね。。。

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「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて

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