2010年02月11日

男79.42歳、女84.06歳

 上海市戸籍の平均余命がまた伸びました。2010年2月10日に発表された2009年度のデータでは、男性が79.42歳、女性が84.06歳です。全体では81.73歳というのが最新の上海の平均余命です。

 ちはみにですが、日本の平均余命(平成20年版)で、男性が79.29歳、女性が86.05歳なので、年度がすこし違うので単純には比較できませんが、日本の男性の平均余命をついに追い抜いたことになります。

 上海と日本を比較したとき、はっきりいって上海の生活インフラはまだまだ未整備です。良くなってきているとはいえ、日本のようにスムーズにはいかない。
 年金をもらうときの銀行の長蛇の列も相変わらず改善されていない、街はほこりっぽいし、大気汚染も大変。上海の道路を渡るこの危険度は、高齢者にとっては毎日サバイバルのようです。
 でも、上海市内の地下鉄・バスは無料ですし、公共料金も比較的安いので、ある意味過ごしやすいのかもしれません。社会主義の恩恵ですね。
 このように、高齢者には決して優しい街ではないけど、平均余命は年々伸びてきています。人間にとっては、少々不便な生活の方がいいのかもしれません。不便過ぎるのも困りますが。

 さらに、一人暮らしのお年寄りの孤独死を防ぐため、医師の訪問診療制度も強化されています。医師をしている私の妻も、週数回、一人暮らしとして登録された高齢者の自宅を訪問して、健康チェックにいっています。老人ホームが慢性的に超不足している上海では、訪問介護に力をいれているのです。

 その妻の祖母も87歳ですが、まだ一人で生活されています。交通機関を乗り継いで、市内の骨董品屋へ出かけ物色するのが趣味だとか。まだまだお元気です。食べ物は肉類もしっかりと食べているそうで、エネルギーに溢れています。もちろん、兄弟が順番にご機嫌伺いに行くなど、そうしたネットワークは大切にされています。

 そしてもう一つ大きな出来事として、出産ブームの上海でありながらも、妊婦の死亡率(地方出身者も含む)は減り続け、ついに妊産婦死亡率は10万人分の10人を割って、10万人分の9.61になりました。2004年のアメリカと同程度になります。この中には、上海戸籍を持たない出稼ぎ労働者の出産も含まれているので、上海での出産も年々改善されてきていると思います。なにより、上海は産婦人科医院も多いですからね。
 
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「我が愛しの上海へU」-理想の中医学と漢方を求めて 
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類