調査対象は、月収3000元以上で、いわゆる中国で中産階級と言われるグループでのお話です。その大部分が、月収3000元以上6000元未満に入ってきます。
中国の消費を支えているであろうこうした世代に、いま少しずつ疲れが見え始めています。
おそらく、日本企業がマーケットとして狙っている富裕者層は、これよりもさらにお金持ちのグループだと思うので、あまり参考にはならないかもしれませんが、でもこうしたサラリーマン世帯の下支えがなければ、中国の経済発展は難しいはずです。
さて、その疲れやストレスの原因について、分析されていました。トップはやはり住宅ローン。そして、急高騰している子どもの教育費、さらに仕事でのストレスと、混雑による通勤ストレス。これがこうした働き盛りの健康も脅かし始めています。
私の患者さんにも、ほぼ毎日家で食事ができないという30〜40代が非常に多い。本来、自宅に家族がいて、家族からのサポートが必要なたちが、仕事にかき回されている現状は異常としか言いようがありません。そして、体調に変調を来してくる。
中国のビジネス界でも、華やかなIT業界などで30〜40代で命を失った企業戦士が続出しており、ビジネスマンの健康問題の大切さが注目されています。とくに、企業経営者や若くして重役ポストについてしまったエリートに多いのです。
特に、企業経営者は、常に事業の発展を考えてなければならず、走り出したら止まることができません。大変な仕事だと思います。
今回の調査で明らかになったのが、年齢が若いほど体調の不調を訴える中産階級の人が多いという点。1980年代に生まれた人のうち、67%がすでに過労の状態である思っているようです。その背景にあるのは、社会の急速な発展に伴い、自分に対する期待の過剰。さらに、仕事がエンドレスで続き、事実上休むことすら許されないという、今までの社会主義的な働き方とはまったく違った変化に体がむしばまれているともいわれています。
さらに、今までは組織として達成できれば満足できたものが、競争の激化により、個人そのものの達成が社会的に重視されるようになり、これが新しいストレスにもなっているということです。上海のような人材が溢れている社会では、個人の社会における価値観をどのように高めることができるかが、人々の関心事になってきているようです。
こうした中産階級の抱える体の悩みのトップ10は、疲労・肩こり・焦燥感・胃腸疾患・不眠・鬱・目の疾患・肥満・抜け毛・性欲減退などが挙げられています。私も、臨床で非常によく見かける症状です。さらに、職業別には金融・証券関係の人に多いらしい。
しかし、20代〜30代の67%が疲れを感じて生活をしている現状は、やはり正常ではないですね。
最近、仕事でいろいろなジャンルのかたとお会いするのですが、初対面だけに、顔色や体型などふと観察してしまいますね。私も職業病です。。。。
話は変わりますが、いま上海では若者の癌患者も増えているのです。車を乗るようになって運動をしなくなり、タバコ・酒はやめられず、辛い食べ物を食べるようになる、外食の増加。。。大腸癌や膵臓癌、乳がん、前立腺癌などの増加は、こうした生活習慣の変化とも密接に関係があります。
大都市生活で、自分の体を守ると言うことが、ますます難しくなってきているように思います。
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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて 「干ばつの影響」を更新しました。