2010年04月15日

バブルなのかな

 ハイアット オン ザ バンドの30階で、日本・香港そして地元上海から来られた企業家の皆さんと会食。直前まで仕事で30分ほど後れてしまったのですが、皆さん温かく迎えてくださいました。恐縮です。

 このホテルは、今までも会食などで使わせてもらったことがあるのですが、30階のレストランに入るのは初めてでした。外灘の夜景、浦東陸家嘴の夜景が非常に美しく、雰囲気もいいので印象が良かったです。

 とりあえず、人・モノ・マネーが中国に、上海に向いていることは実感。今まで、そんなことを全然意識せずに暮らしてきたけど、こう騒がれると意識しないといられなくなる。

 人は、この状態をバブルと言うかもしれませんが、実は意外と地元の上海人は冷静で、周りがはやし立てているような気もしないわけではありません。妻や私も含めて、普通に働いている庶民の給与が大きく増えたわけでもない。確かに、万博のおかげでインフラはよくなって、交通の便が格段に良くなったし、風景も大きく変わったのですが。

 この日も話題になったのですが、上海の不動産はバブルなのかということ。私は、半分バブルだと思うし、でも本質はバブルではないとも思っています。理由は、上海の戸籍制度や中国人の住居に対する考え方。
 すなわち、妻のような上海人は上海戸籍をもっていて、上海エリアにおればそこそこの待遇は受けられますが、杭州や蘇州などそれ以外のエリアに出て行くと、そうはいかない。地方に行くと、あくまでも「外モノ」なんです。これは、北京人が上海にきても「外モノ」であるのと同じです。それでいて、上海は慢性的な土地不足でマンションの供給量は増えない。だから、上海に居着いている市民は、海外へ移民でもしない限りで行くことはあまりありません。逆に、地方から、上海戸籍をもとめてやってくる人は後をたたない。
 行政サービスがいいエリアに、人が集まってくるのは当然です。安心感もあります。

 ほかに色々理由は挙げられますが、そういった観点からも、日本が経験してきた90年代のバブルと、今の上海の様子はその根底が違うように思うのです。

 そして、忘れてはならないのは、中華民族の住居と土地に対する信仰。彼らは、なかなか手に入れた不動産は手放さない。かつての日本人が、アメリカの不動産を買い占め、ぱっと手放し様なことは簡単にしないでしょう。いつかは、中国人のマネーが日本に大挙して向かうのではないかと思います。法律などの制度も日本は比較的整っており、安心感もあり、そういう日本の不動産は絶対要注意だと思います。

 とまあ、いろいろ思っても、私は評論家でもないし、これ以上書けません。(笑)

 でも、今の日本の中国に対するまなざしを見ていると、どうも世論自体が「バブル」になっているような気もします。中国と関係があれば、なんでも注目されるというのもどうかな、といった感じですよね。

 ハイアット オン ザ バンドぐらいのホテルだと、ホテルの中と外の世界とのギャップをどうしても感じてしまいます。外に出ると、「ああ、やっぱり上海なんだ」と。

 そんなときは、余韻を壊さないためにも間違っても歩いて帰りません。タクシーでドアツードアなら、着いたら自宅ですからね。

 でも、純粋に万博は楽しみです。あの夢のようなデザインのパビリオンの姿をみると、だれでもワクワクします。きっと、ディズニーランドに入るような感覚なんでしょうね。5月1日のチケットは予約いれました。

 いろいろ騒がれても、結局、時間だけは確実に過ぎていく。上海に踊らせられず、自分の生き方を生きていかなければならないということですよね。

中国ブログランキングへ

「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類