それでも、14万人「も」やってくると、混雑が発生していのるのには変わらないわけで、個人的にじっくりと展示物をみるために、せめて1日10万人を割ってくれれば、かなりゆったりと万博が楽しめるのにと密かに期待しています。だいたい、パビリオン一つをみるために、2時間も3時間も行列を作らないといけないのが異常なわけで、せめて30分ぐらいにしてほしいと思うのです。
モノは考えようで、採算を度外視して、それこそ今まで最も見やすい上海万博だった!と言われるだけでも、ものすごい名誉なことだと私は思いますが。
私は、上海の大学・大学院に通っていましたから、中国で大学の学生イベントの運営がいかに難しいか、実感しています。彼らも感動できるイベントをやりたいのだけど、実際はどうやっていいのか分からない。特に学生自ら主催するイベントは、上から押しつけられてしまうとちっともおもしろくありません。
私の母校、奈良高校の「青丹祭」が毎年感動のフィナーレを迎えられたのも(今は知りませんが、昔はそうでした)、「自主創造」という自由な校風があってからこそ。そういう体験すらない学生に、盛り上げようといっても無理な話です。
私は、そういった感覚で、中国の大学で、それこそ日本の高校生や大学生の学園祭のようなノリを想像していたのですが、実際はかなりかけ離れたものでした。すぐにバラバラになってしまい、人によっては輪に参加せずにしらけて帰ってしまう人も非常に多かった印象です。幹事はがんばっているのにね。「自分たちでやろう」というのではなく、何事も上が按配してくれるので、その按配がだめだったらダメだ、と決めつけて、輪からさっさと抜けていっちゃうんですよね。さすが、個人主義の国です。
集団でイベントをすることに対して、そうした訓練を小さい頃からやっていないので、イベントをしても盛り上がる方法が分からない学生たちが多いのです。「楽しみ」は上から強制させてできるモノではありません。こういったイベントをみんなで楽しめるかは、ある意味、小さいときからの教育がなせる技だと思うのです。万博1年前ぐらいからキャンペーンしても、それは無理です。
でも、詰め込み型の教育ではこれは確かに難しい。確かに、試験の結果が自分の将来を左右することはあるかもしれませんが。。。。
あと、中国人には、こうしたイベントに対してお金を払ってまで見に行くという人が実はあまり多くない、いやそういう習慣がないといっても過言ではないと思います。タダだったらとりあえず行こうか、この程度のノリなのです。これは上海人の私の妻からの指摘です。
正直、上海万博を見学に行くことに関して、本当の意味をどれだけの市民が理解しているかも疑問です。遊園地に行くこととの違いも分かっていない人が少なくないでしょう。だからこそ、上海市政府も市民に無料券を配ってまで来てもらおうと努力しているのだと思います。
混んでいるパビリオンも、実はパビリオンの中身を見てみようというより、実は人が並んでいるから並んでみようと思っている人が多いのもこれまた事実。5月1日に私が会場に行ったときも、「並んで損をした」という声を私もちらほら聞きましたので。
おそらく、本当に混雑してくるのは、無料チケットがじわじわと浸透しだしてくるこれからでしょう。我が家の浦東新区で市民(半年以上住んでいる外国人家庭もOK)に配られる無料チケットの登録も、やっと終わったばっかりですし、ほかの地区ではまだまだ無料チケットの手続きすら行われていません。この無料チケット効果がでてきたら、入場者数も増え出すでしょう。
そういった意味も込めて、2008年に「上海万博のセミナー」のようなブログを書いたことがありますが、なんかこのままいくと予想通りに、せっかくの海外からのすばらしい万博の展示・イベントが台無しになりそうで、すこし心配もしています。
少なくとも、中国系のイベントにはそういった冷めてしまうようなイベントが多かったような印象がありますからね。上海万博にはそうなってほしくないと願っています。
でも、私は行きますよ。いろいろな人に会うために。がんばれ、上海万博!!
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