2010年11月30日

原稿のラッシュ中

 活字に追われてしまうと、ブログの更新が追いつかなくなりますね。いつものことです。

 私にとっては、週末は土日ではなく、中医クリニックの休診日である火曜日なので、月末の火曜日は日本の雑誌に書いている原稿の締め切りに追われてしまいます。でも、こうやって週休1日体制でもやっていけるのは、やはりこの仕事が自分にとって非常に充実したものであるからだと思います。寝ている時間ももったいないと思ってしまうのは、完全に職業病ですね。 でも、朝4時ぐらいから仕事をするのが習慣になってしまっているんです。

 今月は、インタビューも1本入っていたので、その原稿の見直しも送られてきました。ブログなどインターネットの文章と違って、どんなものでも書物として出してしまったものは、なかなか後で修正がききませんので、十分にチェックする必要があります。でも、手間暇かけた書物であるが故に、一旦世の中に出て行ってしまうと、普段はインターネットをされないご年配の方々とも交流を深めることができます。そういったつながりも、また嬉しいです。

 11月は3本ほど日本向けに書いている中医学と関係のある原稿がありますので、もう少し群奮闘し、一段落できたら娘と一緒に上海の街へ繰り出そうと思っています。

 私の書いたものは、中医クリニックの待合室にも置いてありますので、ぜひご覧ください。

 とりあえず、今は新しい椅子に座って、書斎に籠もります。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2010年11月27日

食肉と抗生物質の問題

 今週、アトピー性皮膚炎の治療で、ほぼ軽快できた子供の患者さんが3例いました。2例は中国人の子供で、もう1例は日本人の子供です。西洋医学の薬は、早くからストップさせていたのですが、中医薬(漢方薬)も、ほぼストップできる状態にまでもっていけたので、あとは患者さん自身の生活リズムと食生活を如何に維持できるか、という問題をクリアしなくてはいけません。

 中国での生活で、この食生活についての問題が結構大変であることは、私も幾度となくこのブログで紹介してきました。先日、養殖業で使われている抗生物質について、紹介しましたが、ついに『人民日報』も取り上げました。

 中国で生産されている抗生物質の約46.1%が畜産業などに使われているという実態も明らかになっています。抗生物質の濫用により、畜産の生産性が向上するどころが、低下してまう可能性も指摘されるようになってきました。病原菌の抗生物質に対する耐性の問題、免疫力を下げてしまう問題、残留抗生物質の問題などなど弊害は沢山あります。



  一般に、動物に含まれる残留抗生物質の量は非常に少ないのですが、これも蓄積されれば厄介です。基準を合格していても、それが複合してしまうとどうなるか分かりません。人によっては、ある種の肉類をたべると、蕁麻疹が出てきたり、アレルギーの症状が出てきたりするのも、こうした複合的な要因が関係あると言われています。

 そして、人間自身も抗生物質に対しての耐性ができてしまうとこれまた厄介です。近年話題になっているスーパー細菌の出現も、医療現場における抗生物質の問題以外にも、こうした日々気がつかないところでの抗生物質の摂取と関係があるというわけです。

 とくに、飼料の中に含まれてしまう抗生物質については、中国でもその対策が急がれますが、法制度の整備もまだ追いついていないのが現状です。中国の調査では、50%の養殖業者で、飼料の中に何らかの抗生物質やホルモン系の薬を添加しているという実態も明らかになってきました。未だに非合法な抗生物質を使っていたり、合法的な抗生物質でもその量が基準値より大幅に多かったりすることが多々あるようです。

 だとすると、結局、健康な人も含めて、動物性タンパク質を摂取するときは、一種類にこだわるのではなく、幅広くいろんなものを食べるように心がけることが非常に大切だということになります。

 特に、中国の食生活では、豚肉に偏りがちですが、それ以外のものもバランスよく摂取することが、必要だと思いました。また、生産メーカーも、信頼できるメーカーのものをいろいろローテーションさせてみるほうが無難ですね。

 肉をまったく食べないというわけにもいきませんし、現実的な対策を考える必要がありそうです。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて  

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2010年11月26日

旨い黒酢で酸辣湯

 先日、鹿児島にいったとき、霧島市国分にある薩摩ビール園を訪れ、隣接する黒酢工場を見学させていただきました。本場での黒酢の製造工程をぜひ見たかったのです。

酢のことを、中国語では「苦酒」ともいいます。

 中国でも鎮江や山西の黒酢(陳酢)は有名で、中医学でもその健康作用は有名です。さらに、漢方薬(生薬)を炮製(加工)するときに、酢は欠かせず、たとえば延胡索(エンゴサク)という生薬を、お酢で炮製すると醋延胡索とよばれ、止痛作用が強まります。
 そのほか、中医外科の分野でも、外用で黒酢を使いますし、お酢と中医学は切っても切れない縁があります。

 お酢製造の専門家にいろいろ伺うと、中国の黒酢と日本の黒酢は製造工程において完全に同じではなく、それぞれの特徴があるようです。

この工場では、敷地内で湧いている温泉を利用して、安定した温度を保っていました。じっくりと熟成させます。


 特に、この違いを感じたのは、鹿児島の黒酢を持って帰って、我が家で酸辣湯を作ったときです。それまでに、ワンタンや小籠包を日本の黒酢で食べたら「おお、いつもと違うぞ!」と思ったのですが、酸辣湯を作ったらその違いは結構はっきりわかりました。

 酸辣湯はもちろん、酢が調味料として欠かすことができません。味が締まりますし、うまみが違います。これを、いつもの上海で買っている黒酢から、鹿児島の黒酢に変えてみると、味が今まで以上にこくがでて、マイルドになりました。これはちょっとびっくりです。上海人の妻も驚いていました。

 写真がその日に作った酸辣湯ですが、上にごま油がかかっています。これは、中国人の患者さんからプレゼントされた自家製搾りたてのごま油。これもまた美味しいんです。胡麻の風味が食欲をそそります。

 いい食材を使うと、いつものメニューが引き立ちますね。

 黒酢を使って、いろいろ研究してみたいと思います。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて  

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