今週、アトピー性皮膚炎の治療で、ほぼ軽快できた子供の患者さんが3例いました。2例は中国人の子供で、もう1例は日本人の子供です。西洋医学の薬は、早くからストップさせていたのですが、中医薬(漢方薬)も、ほぼストップできる状態にまでもっていけたので、あとは患者さん自身の生活リズムと食生活を如何に維持できるか、という問題をクリアしなくてはいけません。
中国での生活で、この食生活についての問題が結構大変であることは、私も幾度となくこのブログで紹介してきました。先日、養殖業で使われている抗生物質について、
紹介しましたが、ついに『人民日報』も取り上げました。
中国で生産されている抗生物質の約46.1%が畜産業などに使われているという実態も明らかになっています。抗生物質の濫用により、畜産の生産性が向上するどころが、低下してまう可能性も指摘されるようになってきました。病原菌の抗生物質に対する耐性の問題、免疫力を下げてしまう問題、残留抗生物質の問題などなど弊害は沢山あります。
一般に、動物に含まれる残留抗生物質の量は非常に少ないのですが、これも蓄積されれば厄介です。基準を合格していても、それが複合してしまうとどうなるか分かりません。人によっては、ある種の肉類をたべると、蕁麻疹が出てきたり、アレルギーの症状が出てきたりするのも、こうした複合的な要因が関係あると言われています。
そして、人間自身も抗生物質に対しての耐性ができてしまうとこれまた厄介です。近年話題になっているスーパー細菌の出現も、医療現場における抗生物質の問題以外にも、こうした日々気がつかないところでの抗生物質の摂取と関係があるというわけです。
とくに、飼料の中に含まれてしまう抗生物質については、中国でもその対策が急がれますが、法制度の整備もまだ追いついていないのが現状です。中国の調査では、50%の養殖業者で、飼料の中に何らかの抗生物質やホルモン系の薬を添加しているという実態も明らかになってきました。未だに非合法な抗生物質を使っていたり、合法的な抗生物質でもその量が基準値より大幅に多かったりすることが多々あるようです。
だとすると、結局、健康な人も含めて、動物性タンパク質を摂取するときは、一種類にこだわるのではなく、幅広くいろんなものを食べるように心がけることが非常に大切だということになります。
特に、中国の食生活では、豚肉に偏りがちですが、それ以外のものもバランスよく摂取することが、必要だと思いました。また、生産メーカーも、信頼できるメーカーのものをいろいろローテーションさせてみるほうが無難ですね。
肉をまったく食べないというわけにもいきませんし、現実的な対策を考える必要がありそうです。
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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00|
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