2010年11月26日

旨い黒酢で酸辣湯

 先日、鹿児島にいったとき、霧島市国分にある薩摩ビール園を訪れ、隣接する黒酢工場を見学させていただきました。本場での黒酢の製造工程をぜひ見たかったのです。

酢のことを、中国語では「苦酒」ともいいます。

 中国でも鎮江や山西の黒酢(陳酢)は有名で、中医学でもその健康作用は有名です。さらに、漢方薬(生薬)を炮製(加工)するときに、酢は欠かせず、たとえば延胡索(エンゴサク)という生薬を、お酢で炮製すると醋延胡索とよばれ、止痛作用が強まります。
 そのほか、中医外科の分野でも、外用で黒酢を使いますし、お酢と中医学は切っても切れない縁があります。

 お酢製造の専門家にいろいろ伺うと、中国の黒酢と日本の黒酢は製造工程において完全に同じではなく、それぞれの特徴があるようです。

この工場では、敷地内で湧いている温泉を利用して、安定した温度を保っていました。じっくりと熟成させます。


 特に、この違いを感じたのは、鹿児島の黒酢を持って帰って、我が家で酸辣湯を作ったときです。それまでに、ワンタンや小籠包を日本の黒酢で食べたら「おお、いつもと違うぞ!」と思ったのですが、酸辣湯を作ったらその違いは結構はっきりわかりました。

 酸辣湯はもちろん、酢が調味料として欠かすことができません。味が締まりますし、うまみが違います。これを、いつもの上海で買っている黒酢から、鹿児島の黒酢に変えてみると、味が今まで以上にこくがでて、マイルドになりました。これはちょっとびっくりです。上海人の妻も驚いていました。

 写真がその日に作った酸辣湯ですが、上にごま油がかかっています。これは、中国人の患者さんからプレゼントされた自家製搾りたてのごま油。これもまた美味しいんです。胡麻の風味が食欲をそそります。

 いい食材を使うと、いつものメニューが引き立ちますね。

 黒酢を使って、いろいろ研究してみたいと思います。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて  

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類