2010年12月17日

2011年の中国は前途多難かも

 上海万博が終わり、さすがに上海の街も一段落してきましたが、一方で、次の目標が見えづらくなっているようで、何となく元気のないニュースもちょろちょろ出ています。

 こちらの雑誌などの論評を見ていても、2011年の中国経済は結構悲観的で、物価高に失業率UPなどの影響が、ジワジワと効いてくるという観測が強いです。とくに、為替レートの関係で、海外からどんどん資金が流れ込む一方で、不透明な資本の動きが、中国経済をさらに複雑化してしまうと言うのです。

 さらに、アメリカの経済が不透明で、金融緩和政策を続け、米ドルのレートが落ち込めば、中国にとっても不利なことは確実で、中国の国際収支の不均衡が、さらに突出してしまう形になるのは確実でしょう。

 中国は、公共投資を積極的に行い、景気刺激策を続けてきています。すでに、2009年以降の中国の財政赤字は1兆500億元にまで膨らんでいて、金融緩和政策により新規融資額はすでに9兆6000億元まで増加、このまま増え続けると、大変なことになるという憶測も出始めています。

 一方で、大型公共設備の投資も、設備過剰になる危険性を抱えていて、急速に発展する高速鉄道も、実は経営上は赤字が続いていて、巨額の負債をどうやって償却するかもまだ先が見えていないとのこと。例えば、利用客が多い天津-北京を結ぶ高速鉄道でも、年間3億元の赤字だそうで、箱物をつくったけど、運営は追いつかないというのが現状みたいです。

 上海に限ってではなく、全国的に不動産バブルが再燃しているし、一般市民の家計への圧迫が深刻化、大学生の就職難の問題など、社会を不安定にしかねない要素も多い昨今、2011年は難しい舵取りが予想されています。

 きっと、政府も今までの開放路線から、締め付け路線に変えていって、管理体制を強化していくことでしょうね。

 とはいえ、我々一般市民にとっては、毎日着実に生活していく以外、対策はないわけですど。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類