26日は上海での古くからの大親友の一人、W弁護士の新居をご訪問させていただきました。中国の地方ご出身ですが、上海での戸籍もとっくに取得され、日本語もペラペラということもあり、日中ビジネスの世界では大活躍されている方です。
まさに最近の富裕層の家庭をモデルにしたようなマンションでした。立派な子供部屋に、5星ホテルを彷彿させるような寝室、どことなくヨーロピアン感覚のリビンなど、W弁護士の人柄があふれて出るような暖かい空間が広がっていました。いまや、上海でも床暖房は急速に普及していますし、リビングに置いてあった50インチ程度の巨大液晶テレビも印象的でした。電気設備はすごいものです。
一昔前と比較すると、今の上海人の生活は確実に物質的に豊かになってきています。私が大学生のころ、日本にはこんな先進的な家電があり云々といったことが話題になりましたが、そういったものは今や上海でも当たり前。物質的要求というのは、上海の進化とともにごく当たり前に手に入れることができるようになりました。
これは、日中間の交流を考える上でも、一つのポイントでもあると思います。
日本と中国の関係を考えたとき、あまり中国に関係を持っていない日本人からすると、日本は進んでいる、中国は遅れているといった先入観をもっていることが少なくありません。なんか非常にたちの悪い国と思っている人も多いはず。
それが、物質的な要求のレベルの違いで、外から見ても差が明らかな場合には、特に大きな問題になっていませんでした。距離感が必然的にできていたからです。ところが、物質面での日本の優位性が薄れてきて、さらに科学技術の差が縮まってきたときに、我々はどのように中国と向かい合うべきなのか、今後難しい局面にたたされてくると思います。こうした接近戦には我々日本人は弱い。そして自分たちだけで完結させることができなくなってくるはずです。
ひょっとしたら、今後見た目では中国のほうが進んでしまった、ということもどんどん出てくるハズです。そのとき、我々はどういう態度で中国に向かうべきなのか?しっかりと戦略を立てなければなりません。
ただ、海外生活が長い私たちからすると、そうした比較や距離感は非常にナンセンスであることにもすぐ気づくと思います。結局、日本人とか中国人とか欧米人とか。。。というよなくくり方の意味はなく、感覚的には、ご近所のお隣さんと同じぐらいの感覚が必要なんだと思いますし、実際皆さんもそうなっておられると思います。
日本人の中には、中国が好きだからここに来ている人もおれば、仕事で正直イヤイヤで来ている人もいますし、単に家族が来たから、という理由で来られている方もおられます。
でも、どんな理由であるにしろ、中国の人たちからみれば、中国にいる日本人には変わりなく、いわば異人です。我々はやはりその意識をつねに持っておく必要があると思います。
そして、中国という社会に身を置く以上、日本人だけで何事も完結させることは難しく、どこかに必ず中国の人々とのつながりがでてきます。それを排除させることはできません。中国語が聞こえてきて当たり前なのです。
どこかの首相が「平成の開国」とかいっておりましたが、政治家が言うまでもなく、猛烈なスピードで日本の開国は進んでいます。そんななかで、近隣諸国の人たちとどうつきあうのか、海外にいる我々から率先していろいろ考えなければなりません。
波に乗り遅れたら、日本はわずかな資源も食い荒らされてしまい、本当にガラパゴスになってしまうのです。
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posted by 藤田 康介 at 00:00|
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