2011年03月31日

油と化学調味料

 中華料理といえば、必ずと言ってもいいほど油と化学調味料が使われていますが、旨く使うコツがあるのですね。我が家ではもちろん化学調味料を一切使いませんが、上海人はとくに「鮮」といううまみを料理に出すことにこだわっているので、一般家庭でも化学調味料がよく使われます。私もそのコツを教えてもらったので、参考までに。

1.春巻きや餃子の餡には使わない

 料理するときの温度が高いときは、化学調味料が化学反応をするので、使わない。有毒なピログルタミン酸ナトリウムができてしまうらしい。揚げ物や蒸し物には注意が必要とのこと。

2.前菜には使わない

 使っているのを見たことがある!要は、化学調味料は80℃前後ではじめてうまみが出てくるので、低すぎる温度では味に変化がでてこないので、生野菜などに使いたいときは、お湯に溶かしてから混ぜると味が出てくると言うことです。

3.肉類を料理するときは不用

 当然ですよね。肉類にはうまみ成分のグルタミン酸が入っているわけですから、わざわざ化学調味料を入れる必要はありません。

4.酸っぱいモノ、甘いモノには使わない

 化学調味料は酸性状態ではうまみが出てこない。また、甘い料理に使うと、逆に変な味に変わってしまうので使わない。

 こうみてみると、本当に正しく化学調味料が使えるケースはそう多くないですね。いずれにしろ、ナトリウムを含んでいるので、血圧の高い人は控えるべきなのですが。

 ついでに油の使い方も。こちらは健康とも関係があります。

1.動物性油と植物性油の両方を使うこと

 中医学では、「なんでもホドホドに食べましょう」というのが大原則で、決して野菜だけとか肉だけとかを薦めません。というわけで、油は両方をうまく使い分けることが必要です。動物性油に多い飽和脂肪酸も身体には必要です。
 また、一つのブランドの食用油を使い続けるのではなく、色々なメーカーの多種な油を使い分けるのが望ましいとされています。

2.高温で炒めるときのポイント

 中華鍋で野菜を炒めるとき、油を敷いてから鍋を温めるのではなく、鍋を温めてから油を敷くのがポイント。よく先に油を敷いて煙をモクモクさせているのを見かけますが、この場合、発がん性物質などが発生しやすいので要注意。また、高温の油は野菜の栄養素を破壊してしまうことがあります。

3.高脂血症の人は、動物性油・植物性油両方を制限する必要有り

 血脂が正常の人でも、通常は動物性油と植物性油両方を平等に摂取する必要があるのですが、一般的に1日25グラム以下だとすると、高脂血症の人は、20グラム以下にはしなさい、と中国では言われます。ただ、日本人からすると25グラムでも多いような印象です。

 以上、中国生活での豆知識でした。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2011年03月30日

教育方法の違い

 30日の私の中医クリニックでの診察は、平日にしては珍しく朝一から夜最終まで予約でいっぱいでした。どうも、地元上海人の患者さんが増えてきたことが直接的な原因でしょう。こうなると、物理的に日中のブログの更新が不可能になってしまいますが、何とか朝の時間を有効に活用してがんばります。

 この日、ある日本人の子供の患者さんに、上海の街角でばったり遭遇。第一声が、「あ、藤田先生が歩いている!」という驚き。そうなんですよね、普段診察しているときはずっと坐っているわけで、私が歩いていると言うことに非常に新鮮さを感じてもらえたみたいです。もと外で活躍している姿を見せないと。

 子供というと、最近、中国上海と日本での家庭の教育方法の違いをいろいろ認識することがありました。日本から購読している「こどもチャレンジ」の新しい年度のものが届きましたが、内容をいろいろ見てみると、おむつはずしとか、あとかたづけ、はみがき、好き嫌いのない食べ物などなど日常生活に関係する目標がいろいろ書かれていました。全体的に、日常生活のしつけやマナーに関する内容が多いことに、私はそれなりに好感を持っていました。

 一方で、聯洋社区にあるショッピングモールの「聯洋広場」の地下には、同じくベネッセの小さなコーナーがあり、教材を体験できるのですが、現地中国語版を見てみると、中国語の教材はさすがに知識などを勉強する内容が多いような印象です。

 確かに、うちの妻の親戚の子供たちや、住宅内の子供たちを見てみると、娘と同じぐらいの幼稚園前の年齢に、数字を覚えさせたりピンインを勉強させたり、勉強に励んでいる姿をよく見かけます。小学校前には、読み書きができてほぼ当たり前というのが、こちらの父兄の考え方。

 こうした教材を見ても、スタートダッシュは日本よりかなり早い印象です。

 ただ、こうした子育てを実際に私も見てきて感じたこと。それは、日本のマナーや礼儀作法といったものは(今では薄れてきたモノも多いようですが)、学校教育以外にも両親の考え方と大きく関係していることが分かります。

 食べ物の好き嫌いの問題にしろ、後片付けの問題にしろ、中国人のお母さんも多少は気にしているようですが、日本人のお母さんほどではないような印象です。

 狭い空間で限られた資源を有効に使わないといけない日本人の島国的気質と、大陸のある意味おおざっぱな気質と私は絶対関係があると思います。

 ただ、人間として知っておかないと行けない世界共通のマナーや道徳観は、うちの娘にも親が意識してしっかりと教育してあげないといけないと思っています。知識は覚えたら身につくけど、こうした気質は日々の積み重ね。どうも、中国では手薄になりがちですから。

 両国のメリットをうまく結合させてあげたいなと思っています。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2011年03月29日

送別会

 出会いと別れの季節です。

 この時期、上海を離れる方が集中します。うちの中医クリニックの日本人の患者さんも結構帰られました。私のように居座ってしまった場合はともかく、一般的に流動が多いのが上海の日本人社会です。

 そんな中、28日には静安区常徳路800号にある「友膳坊」で、日本の新聞社やメディアの方の送別会があり、日頃色々とお世話になったY新聞社のKさんなど3名の記者が、上海を離れられることになり、私にも声をかけていただきました。この日は、在上海日本総領事館の泉総領事もいらしてました。総領事や領事の方々とお会いするのも、今月18日の会合以来です。

  上海を去られる記者の皆様のご挨拶が非常に良かったです。さすがに、言葉を生業とされているプロばかりで、涙もあり、笑いもあり、感動しました。

 そのなかで、Kさんがおっしゃられた「生々しい中国」という表現に、なるほどと納得しました。日本ではなかなか表面に出にくい欲望や葛藤が、中国ではリアルに出てきます。今回上海を離れる記者の皆さんは反日デモや北京オリンピック、四川省の大地震に万博と経験され、まさに激動の中国を克明に記録され、日本に伝えられました。不特定多数に読まれる文章を書くと言うことは、並大抵のことではありません。


 

 

 さらに、伝える側として涙や喜びを感じながら記事を書く重要性を、ことに無機質になりがちな現代社会の中で、読まれる手段は本・雑誌からインターネットと多様化されても、その本質は変わらないわけで、この小さな私のブログでも責任の重さと意義を再認識させられました。

 でも、言葉で人に心を伝えることはすばらしいことです。伝えることができれば、反応が生まれるからです。

 これからも記者の皆様の書かれた文章を目にすることかと思います。楽しみにしています。

 この日、伺ったのですが、上海万博のリハーサルとき、万博の日本館に中国の前の主席が訪問され、しかも、日本語をすこし喋られたということで、これも驚きました。政治家とはいえ、公式な場所と個人とではきっと違うはずでしょうね。

 しかし、身の危険を冒してまで中国で続けられる報道取材活動です。武勇談はいろいろ伺いましたが、いくらプロとはいえ、安全にはくれぐれもお気をつけくださいますようお願いします。

 ・・・・壮絶です。

 私は言葉を通じて、これからも中国・健康・中医学を伝えていきたいです。

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