いつもネットや新聞などメディアで記事を拝読させていただいているS新聞社のK支局長と4時間ちかく虹橋開発区にある鯛飯の『銀平』でお食事させていただきました。
K支局長とは実は、いつかお会いできたら、と思っていた矢先、偶然にも上海の日系クリニックのH先生のご紹介で、「ブログを書いている藤田先生にぜひご紹介したい方」ということで、今回の3人での会食が実現したのですが、H先生には大変感謝しております。これも人の縁だと。。。。思えば不思議と叶うものなのですね。
K支局長ですが、日頃ご執筆されている記事から拝見する限り、ものすごくラジカな方と勝手に想像(失礼!)していたのですが、実際にお会いしてみると全然そんな感じではなく、そのパワーの源はどこにあるのだろうか?と思いつつ、色々お話を伺うことができました。
中国でのメディアというのは、非常に微妙な立場にあるのは皆さんご存じの通りです。言論の自由がある程度保障されている日本では、社会に対するメディアの役割が大切なのですが、中国ではまだそうはいっていません。そんななか、報道に関係する仕事を地道にやっていくことには、並大抵の苦難があり、身体を張っての(命をかけて)活動が余儀なくされます。それがプロなんだと思いました。
この上海エクスプローラーに記事を書くためにも、私も日々刻々と変化してくる上海や中国の情報にはかなり敏感なのですが、実際に現地に行ってしまって鋭い記事をどんどん書いて行かれるK支局長に、「うお〜、やるな!」とショックを受けたことがたびたびありました。私にはさすがにそこまではできません。
社会への貢献という仕事の本質的な役割から考えると、記者の果たす役割は大きく、おそらく絶えず社会と戦っていく覚悟が必要な仕事でもあると思います。どこかの国のように、通り一辺倒な考え方を伝えるだけでは、その記事を読者が深読みしないと本質が見えないのですが、そこにはどうしても推測が入ってきてしまいます。しかし、本来は一般市民がもつ推測の域を飛び出して、その本質をできるだけわかりやすく読者に伝えるという社会的意義の大きな仕事なのでしょうね。
今はインターネットが発達し、ブログなどを通じて個人が情報を発信できるようになりましたが、それだからこそ、記者の持つ社会的意義がますます重視されてきているのだと思います。新聞記者は単なるライターやブロガーではありません。
実は、私も小さい頃、一度は新聞記者になってみたいと思ったことがありました。現場に飛んでいって、「見て・聞いて・確かめる」ことが仕事としてできるのは、まさに新聞記者だからです。
とはいえ、今は私も中医学という、人の健康に直接関わる仕事で、少しでも人の苦痛を和らげることができたらと日々戦っています。「戦う仕事」という意味では、どんな仕事でも同じです。西洋医学ではできないことを何とかできないか、と研究に研究を重ねているのです。
そんな中、遠い日本からでも感謝のメールをいただくと、仕事をやってきてよかったと感じます。今朝メールをあけてみると、ほんのちょっとした中医学的なアドバイスで、西洋医学の主治医の先生が首をかしげるような効果が出てしまいました、という患者さんからの報告がありました。中医学には往々にしてそういうことがあるのです。
でも、そうしたきっかけは、自分の臨床経験や研究した結果を外に紹介していくことで、初めて形になっていきます。医者という仕事は、そういう意味で、如何にして患者さんに的確な言葉で伝えることができるのか、ということを深く深く考える必要があると思います。そうすることで、助かる命もあるわけですから。
これからもぜひぜひ様々な情報を共有したいです。それが人を幸せにできるのなら・・・。
中国ブログランキングへ

「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
ニワトリを更新しました。