うちの中医クリニックは、これらビルに埋もれるようにあるのですが、私が仕事の合間にひょっこりと抜け出して休憩にいく場所があります。
それが、徐光啓公園です。
都会の中のオアシス的な場所で、徐家匯公園のようにいつ行っても人が多いわけでもなく、ベンチに座ってホッとするには私は気に入っています。
この公園は、なんと言っても地元上海出身の明代の科学者、徐光啓(1562〜1633)のお墓です。お墓には十字架が建っており、徐光啓本人のほかにも、妻や孫たちの墓もここに集まっているそうです。
中国に布教に来ていたイタリア人宣教師から数学など西洋の知識を学び、私たちが今でも使っている「幾何」という言葉を広めたのも、彼の功績だと言われています。また、上海エリアでローマ・カトリックをかなり早期に信仰した1人としても有名です。
さらに軍事家としても有名で、大砲の研究も行っていました。天文学や暦の分野でも実績を残しています。中国の歴史を勉強すると、必ず出てくる偉人の1人です。
そんな立派な人のお墓が、うちのクリニックのすぐ近くにあるなんて、光栄な話です。私自身、後世に業績を残すことができた偉人のお墓をお参りすることが結構好きです。
自然科学を勉強してきた端くれとして、こうした上海の偉人の足跡をたどることができるのは、意義深いことだと思います。
徐家匯という地名も、この徐光啓と関係があり、当時このあたりで農業研究を行っており、その末裔が多数住んでいたわけで徐家一族が沢山いたわけです。さらに、今は埋め立てられてしまった肇嘉浜もこのあたりにあり、交通の要衝でもあり、多くの川が集まる「匯」という字が当てられたようです。
今でも徐匯中学やカトリック教会など徐家匯には文教に関する遺産が沢山残されているのも、まさにその当時の名残で、徐家匯はかなりアカデミックな場所でした。上海交通大学もこのエリア内ですね。我が母校、上海中医薬大学の旧キャンパスもこのエリアの外れにありました。私の20代の10年間はまさにこの徐家匯の成長を日々見てきたのです。
ちなみに、1日の運動量から考えると、朝夕の出勤時の運動だけでは足りず、歩数的にもこうやってお昼休みなどに30分程度散歩しないと、机にばっかり坐って仕事をしている場合は全然ダメです。
患者さんに毎日1日8000歩以上と言っている限り、自分が実践できないと全然説得力がありませんからね。
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