男性・女性に限らず、独身の人が多く、多少の中国留学経験があったりして、とりあえず中国語はそこそこでき、非常にまじめなタイプが多いです。毎日毎日、深夜まで仕事をし、食事ですら自分で作る時間もなく、運動するチャンスもなく、毎日10元弁当でその場しのぎの食生活。。。。不眠や身体の疲れ、中には鬱的所見がみられることもありました。
こうした状況を見聞きして、私の脳裏には「ワークングプア」という言葉が浮かびました。中国は物価が安いので、金銭的な「ワーキングプラ」になることは考えにくいですが、精神的な「ワーキンブプア」になりかねない現状に、私は非常に危惧しています。心の余裕がないのです。
昔の(十五年ぐらい前)の上海と言えば、本当に中国好きでコアな日本人が多く、日本人コミュニティー全体が知り合いのような感じだったのですが、さすがにこれだけ日本人が増えてきて、あらゆる業種で働くようになってくると、コニュニティー自体が複雑化しており、つながりのなかにうまく入れていない日本人も少なくないように思います。
ここで、忘れてはならないのは、やはり中国で(上海で)仕事をする目的とそのスタンスだと思います。
中国の人たちも、もちろん安月給で過酷な労働を強いられていることはありますが、しかし多くは自分のキャリアアップと割り切っていて、次にステップアップする準備を平行してしています。そのため、転職にもかなり積極的ですし、リスクよりもチャンスを求めているように思います。安定を求める傾向にある我々日本人とは根本的に仕事に対する考え方も違うように思います。
精神的に追い詰めないと出来ない仕事だったら、それに固執する必要はなく、むしろ避けた方が無難です。精神的・肉体的にも健康だったら、まだまだチャンスは訪れますが、病んでしまったら後の祭りです。
私は中医学を通して、また長い上海での日本人としての生活経験を生かして、そうした人たちの精神的な支えに少しでもなれたらと思っています。
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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
健康医学7月号連載『香りの中医学』を掲載しました。