2011年08月25日

「農家楽」という楽しみ方

 最近、中国の田舎などにいくとよく「農家楽」と書かれた看板を見かけます。いわゆる民宿的なサービスを提供してくれる農家で、食事だけのところもあれば、宿泊できてしまうところもあったりします。農民たちにとっては、大切な副収入でもあり、都市部の住民にとっては、懐かしさを感じるいいチャンスです。

 上海でも、クルマで50キロぐらい走ってすこし郊外にいくと、結構のどかな光景が広がっていたりして、十分に「農家楽」の気分を味わえます。

 今回は、これまた偶然にも知り合った上海奉賢区の農家のお宅をお邪魔しました。

 本当は、桃狩りもする予定でしたが、これは天気がよくなかったので実現できませんでしたが、素朴な田舎料理を頂いてきました。

 農業区として名高い奉賢区は、以前、有機野菜でおなじみの工藤さんの「ベジタベ」農園があるところで、何回か訪問させていただいていますが、高速道路網が整備されて意外と市中心部から近く、すこし拍子抜けしました。

 入り口が見つけにくく、最終的には田んぼに囲まれた一本道(1台走るのが精一杯という田舎道)の終点に、今回のお宅がありました。中国の農道は、本当にクルマ1台しか走れないので、バイクでもきたらどうしよう、と内心ヒヤヒヤしました。

 こうした農家というのは基本的に一戸建て。広い土間などがあるのですが、このお宅はすでに改装済み。しかも、空きに新築を増築し、立派なピンク色の家が建っていました。総工費は40万元だといっていました。(話によると、違法建築だそうですが、1万元の罰金を払うとOKだったそうです。さすが。。。。)

 いずれにしろ、工業開発で立ち退きが相次いでいる上海では、こうした一戸建ての農家は貴重です。

 家の裏には、鶏やアヒル、山羊が飼育されていて、すべて食用です。

 また、ちょうど奉賢区の特産である桃(身が硬めの黄桃)の収穫時期でもあり、土間にはたくさんの桃が転がっていました。水蜜桃とちがって、身は締まっていて、よくジャムとかに使われますが、そのままで食べても結構美味しい。

 庭には子犬が走り回っていて。うちの娘はむしろそちらの方が気になっていたようです。かわいらしいものです。

 農家の周りには、青々とした稲が広がっていて、気持ちいいものです。

  お目当てはなんといっても、かまどで炊くご飯に新鮮な食材。義父・義母も一緒に行ったのですが、農村出身の義母は、かまどで火をおこしながら、女将と料理を楽しんでいました。裏庭で栽培された野菜類もいい味していました。

 こういった風景は、少し前の上海ならどこにでもあったのですが、いまではすっかりと減っています。とくに、かまどのある台所は、今となっては貴重です。

 かまどでご飯をたくと、ちょっと焦げ目ができるのですが、この焦げ目が美味しいんですよね。

鳥一羽はいったスープ


 ついさっきまで歩いてた鶏を、スープにして調理してもらいました。本当の鳥スープです。脂身がほとんどなくて、ぎゅっと締まった肉には噛み応えがあり、いいんです。

 鶏肉の専門店があるぐらい、上海人は鶏にこだわりを持っています。市場でも、いまだに活きた鶏がうられているのもそのためです。美味しい地鶏をもとめて、「農家楽」にいくと、必ず登場します。

 中華料理というと、どうも油っぽいイメージがありますが、我が家でもそうですが、家庭料理は決してそうではありません。さすがにそう油ばかり食べられない。ただ、ご飯とあう料理がおおいので、ご飯が進んでしまいますね。

 そんなわけで、半日ですがミニトリップを楽しんできました。

 お土産に奉賢特産の桃を3箱。ご近所にもプレゼントしました。

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ニラ玉の原点
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2011年08月24日

本物か、粉か

 中国で生活していると、食品に関するネタが本当に尽きません。

 最近、あの有名な日本式ラーメン系の味千ラーメンが、スープが本当に宣伝通りに作られているのか否かで、物議を醸しました。巷で売られているラーメンの倍以上の値段で売っているラーメンだけに、市民の目も厳しかったかもしれないし、また競争の上海の激しい麺業界では、お互い足を引っ張り合っているのかもしれません。

 ぐつぐつ煮込んだスープ類が大好きな中国の人たちの間では、スープに対する評価は比較的厳しいハズで、どこまでこだわったスープなのか関心が高いのも事実です。

 中国でよく口にするものの一つに、豆乳があります。私が上海にきた10数年前は、牛乳が非常に美味しくなかったこともあり、私もその当時から豆乳生活を送っています。いま日本でも、豆乳が美容にいいとか健康面で強調されて飲む人が多いみたいですが、その当時は朝食と言えば豆乳ぐらいしか選択肢がなかったものです。

 我が家では、豆乳は自家製にするようにしています。豆乳の国だけに、非常に便利な器械も発売されています。詳しいことは、豆乳は自家製が一番をご覧下さい。

 この豆乳ですら、最近は外食産業で粉をお湯に溶かしているだけということが取り上げられ、上海ではKFCがやり玉にあげられていました。

 コストダウンのために、ある程度は仕方がないにしろ、最近はあらゆるスープモノが実はこうしたお湯に溶かしたらいいだけの、即席品になってるのではないか?ということに上海のマスコミは非常に反応しています。
 

決して粉を使っていないという必至のPR


 実際、インターネット上でも、スープの素を売る業者が乱立しています。業者ではなくても、一般の人でも簡単に手に入れることができるようになりました。

 ただ、問題となっているのはいったい原材料になにが使われているのか?という点です。加工する工程が複雑になればなるほど、複数の業者が入り乱れ、原材料や添加物の安全性がおろそかになっている可能性もあります。とくに、中国ではおろそかになりがちです。

 一方で、スープなどは規格化したほうが品質も統一され、安定性が高まるといった意見もあり、その折り合いが難しいかもしれません。

 商売する側が、たとえばスープに対して、消費者に期待を持たせるようなPRをするのなら、やはりそれ相応のものを出して欲しいと思いますが、結局、消費者も外食産業で出されるモノはその程度しかないと割り切ることも必要です。

 やっぱり手抜きせずに、自分たちで作るしか、本当の安全は手に入らないのでしょうね。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2011年08月23日

柳の樹液と昆虫

 我が家の近所にある世紀公園。

 このブログにもたびたび登場していますが、ここにクワガタ(オオクワガタ系か?)がいることは、かなり前の記事でもご紹介しました。

 ところが、先日、うちの中医クリニックに来られた患者さんで、世紀公園で「カブトムシを見つけた!」という話を伺い、私も思わず「おお!」と思いましたが、日本と違って上海の子供たちにはカブトムシもクワガタムシも人気がないため、話題にもなりません。

 その方のお話では、カブトムシの雄は日本のオスと角の形は同じと言うこと。

 中国大陸なのだから、ヘラクレスやアトラスまでいかなくても、なんかもう少し変わった角のカブトムシがおればと少し期待していたのですが、残念でした。でも、中国は広いからきっともっと色々なカブトムシが生息しているのかもしれません。

 ここ人口2000万人の大都市上海にも、しっかりとカブトムシやクワガタムシが生息できていることに、私は感動しました。

 ところで、気になったのは、いったいどの木の蜜を吸っているのか?という問題です。

 カブトムシ・クワガタムシ=クヌギというイメージを持っていたのですが、これは世紀公園では当てはまりません。その手の樹木はないからです。

 そこで、いろいろ調べてみて分かったのが、柳。

 実は、柳の木も、クヌギのような強烈な香を発散させる樹液が出るのですね。知りませんでした。

 さっそく観察にいってみると、幹から樹液がしみ出していて、チョウチョが蜜を吸っていました。これだけ蜜がでていれば、十分でしょう。

 幸い、中国江南エリアには柳がたくさん植えられています。

 カブトムシやクワガタ虫にとっては、格好の環境でしょうね。

 ただ、木の幹を傷つけるので、人間からすると害虫なのでしょうが。。。。

 また公園を散策する楽しみが増えました。

 カブトムシ・クワガタムシを見つけるのは、男のロマンです!

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「処暑」のあとの中医学的養生を更新しました。
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