2011年08月21日

増え続けると言われている中国都市部の貧困層

 8月はじめに公表された中国社会科学院の『中国城市発展報告 No4』で、中国都市部の貧困層の年収は7500〜8500元(10万円前後か)で線引きされ、その数は5000万人程度になるということが報告されていました。

 この報告では、90年代以降都市貧困層が増加傾向にあり、経済システムも変化と体制の改革によって、新たな貧困層ができつつあると警鐘していました。

 報告書では、都市部貧困層の子供は、9年間の義務教育しか受けることができず、教育費の高騰でとても進学するための経済的負担が無理です。
 さらに社会に出て行っても低学歴で、技能が低いままでは中国の厳しい就職戦線で勝ち抜くこともままならず、所得もなかなかあがっていかないというジレンマを抱えた悪循環の状態であると指摘し、社会の矛盾が発生しやすくなるとしています。

 これまでは、農村で生活していた人たちが、自分たちの収入を少しでもあげようと、都市部で出稼ぎにきていましたが、都市部そのもので貧困層が増え始めてくると、これはすこし厄介な話です。

 いくら物価が日本よりは安いとはいえ、この上海のような消費中心の大都市では、年10万円でとても生活できません。

 いろいろな人種が入り交じっている複雑な中国だけに、難しい舵取りが予想されますが、なんとか安定した社会が作れるようにうまく舵取りしてもらいたいところですね。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類