2011年09月19日

富国強兵と防空サイレン

 日本でも明治時代に盛んに言われ、学校の教科書にも出てくる「富国強兵」ということば。こちら中国では「富国強軍」とも言われますが、ここ数日この言葉をよく目にします。

 上の写真は、上海の地方紙に掲載された公共広告です。一瞬、なにかの映画の宣伝かと思いきや、国防に対する意識を高めようといったプロパガンダたっぷりの、しかも直感的に分かりやすいものでした。

 9月17日の土曜日のお昼頃、上海市内でサイレンが鳴り響きました。いわゆる防空警報のテストだったのですが、上海市内にある1296箇所もの防空警報のサイレンが11時35分に一斉にならされました。どこかの工場の時報のサイレントちがって、街中がウオ〜ンと響くぐらいの、規模の大きな音です。きっと、日本も戦時中はこうだったのだと思ってしまいます。

 今回のテストでは、設備器機のチェックはもちろん、市民にも防空意識を高めてもらう狙いがあり、さらに災害訓練も兼ねた避難訓練も行われたエリアもあります。

 考えてみれば、我々日本人の若い世代からすると、「防災」という言葉にはよく耳にしても、「防空」という言葉はあまりなじみがありません。でも、お隣の中国や韓国では非常に意識されている言葉です。新聞にもよく登場します。

 国の体制が違うにしろ、また今年に入って地震・台風など自然災害に翻弄されている我々の祖国であるニッポン。。。

 でも、領土の問題も含めて、「防空」について逃げずに考える必要があるのではないかと思い知らされる、17日の上海の防空警報でした。

 世界は確実に動いていますし、我々も日本の国内が大変だから、といったことを理由に、内向きになることはできません。

 こうして海外にいると、国防に対するスタンスの違いを強く感じます。

9月17日付け『新民晩報』の1面広告より


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【連絡】10月1日(土)〜10月4日(火)まで国慶節のため中医クリニックは休診です。
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2011年09月18日

上海浦東新区の鉛中毒問題

 すでに大きく報道されているので、ご存じの方も多いかと思いますが、上海浦東新区にある康橋エリアで、9月上旬に子供の鉛中毒の子供が相次いで報告され、市政府は対策に動いています。

 9月16日現在では、該当地域で25名の鉛中毒の子供が発見され、新華医院や上海児童医学センターで治療しています。

 現在、原因として考えられているのはバッテリー工場。市内に17箇所ある鉛蓄電池のうちの一つがこのエリアにあり、今回鉛中毒の子供が見つかった康花新村の住宅地との距離はたった1.5キロ。そのほか、付近の自動車関連の工場も鉛を使っていたことが分かってきました。これら工場での生産は、当局の指導で現在ストップしています。

 中国では、鉛中毒の事例が少なくありません。つい数年前まで有鉛ガソリンを使っていたころは、クルマの排気ガスが原因だったり、また近年では工業化が進んで、バッテリー工場が問題になっており、2011年に入って大規模な工場の取締が行われたばかりのようです。

 慢性の鉛中毒の症状としては、腹痛や便秘、貧血、多動症などがあり、また子供の発育や成長にも影響を与えます。 発育代謝が盛んな子供は、特に注意が必要です。

 中国で住居を探すとき、幹線道路などを避けることも重要ですが、付近に有害物質を排出している工場などがないか、十分に確認することが大切です。附記しておきますが、こちらでは高圧線や変電所の近くにも住宅が建てられていることも多く、十分にチェックする必要があります。

 我が家もそうですが、子供がいるので、正直気になるところですね。

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2011年09月17日

上海地下鉄食堂

 以前、日本の某放送局から連絡があり、「上海の地下鉄の特徴は何ですか?」という、鉄道マニアの私としては非常に嬉しいインタビューを受けました。

 もちろん、鉄ちゃん的には、話し出すと色々あるのですが、一般の人に受けるように考えたとき、ふと思い出したのが、上海の地下鉄の朝の風景。

 朝、列車に乗り込むと、油っぽいにおいが車内に充満していることがよくあるのですが、この原因は乗客が車内に持ち込んだ朝食。

 そして、袋をあけて、朝食を車内で食べる習慣は、上海の地下鉄での大きな特徴だと思いました。

 少なくとも、大阪の御堂筋線や、東京の山手線などで、朝に車内で朝食を食べてる人はまず見かけませんが、こちら上海ではごく普通の風景になっています。

 そうした客層を見越してか、地下鉄の駅周辺には、煎餅や饅頭、豆乳、豆花、煮卵を売る露店が朝を中心にたくさん登場します。そういう私も、医学生時代はよく野菜饅頭を買って食べたものです。

 考えてみれば、中華料理は携帯や保存に便利で、作るのも簡単なモノが多く、しかも結構美味しい。

 そういった手軽な朝食を美味しそうに食べて居る上海小姐。

 どうも、平日は自宅で朝食を食べずに、出てきたついでに食べる人が多いようで、ある種の食文化になっていると思います。

 ただ、日頃中医クリニックで中国の地元の人たちを診察していると、最近、女性を中心に朝食を抜く人が少なくありません。都市生活が忙しくなってきて、時間的余裕がなくなって来ているのかもしれませんね。

車内で朝食を楽しむカップル


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