2011年12月12日

上海の路線バス運転手の健康管理

 12月も中盤に近づいてくると、上海の交通渋滞は悪化の一方ですが、交通事故も増える傾向にあります。日頃運転しない人が、レンタカーなどで運転し出すからで、これも結構怖い。
 しかし、上海で運転していて一番脅威なのは、私にとっては路線バスです。こちらの路線バスは、動きが読みづらい。停留所がなくても、急に停まって乗客を乗せたりします。

 この非常に荒い上海の路線バスの運転に関して、その過酷な労働条件と関係があるのではないか、と私は思っています。

 上海の路線バスは、その運行距離が長く、一度発車すると、目的地に着くまでは2時間程度かかるというのはざらです。今でこそ車両の状況はよくなっていますが、夏にエアコンがないというのも以前ではありました。そんな状態で、イライラしないほうが不思議なぐらいです。

 先日も、市内中心部を走る933番のバスで、運転手が乗務中に倒れました。倒れる直前、運転操作でミスがあるなど、運転手の様子がおかしいことを車掌が気付いていたようですが、最終的にはなんとかバスを停車させて意識を失ったそうです。CTの結果、脳溢血で、重篤な状態でした。54歳とのことです。まだ入院先の病院で生死をさまよっているとの報道です。

渋滞に渋滞。


 路線バスに限らず、上海のタクシー運転手も過酷な労働を強いられています。タクシー運転手の場合、1日仕事をすると、1日休むというのが慣例ですが、話を聞くと、休みの日は疲労でむさぼるように寝てしまうことがおおいのだそうです。しかも夜討ち朝駆け。これでは、疲れが十分にはとれません。

 結果的に、タクシー運転手や路線バス運転手のなり手が少なく、人手不足にもなっています。政府も、マイカーナンバープレートの落札による収益で、バス事業への補助を出しているようですが、バス会社の経営が大変なのもまた事実です。

 興味深い調査結果もありました。上海市内を走っている巴士公交と浦東公交の運転手の数は28428人で、このうち2337人が55歳以上で、このうち465人を調査したところ、健康に何らかのトラブルがある人が全体の86.95%も居たと言うことです。

 路線バスの業務中の過労の問題は、こちらのマスコミでは安全面よりも武勇伝的に伝えられることが多いのは、社会的背景の違いからとも思いますが、多くの人命を預かる仕事だけに、安全運転には十分に気をつけて欲しいものです。


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健康ブログ:「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて

2011年12月11日

小さく、コンパクトに

 時間は夜10時近く。

 昨晩の中医クリニックでの診察は非常に忙しかったこともあり、皆既日食のこともすっかり忘れていました。

 帰り間際に受付の子に、「空を見て帰りましょう!」と一言声をかけられ、はと気がつき、駐車場から空を見上げると、上海のビルの合間から見えていました。

 外は冷え込んでいましたが、上海にしては珍しく星が出ていた日。

 Facebookをあけてみると、日本の皆さんも同様にこの月を眺めることができていたようで、妙な連帯感を感じました。

 2011年の終わりも近づき、ちょうど名刺もなくなったので来年用の名刺を作りにいってきました。

 スティーブ・ジョブズ伝を読んでから、シンプルにスマートに物事を作り上げ、考えることに感銘をうけ、来年の私の名刺も極めてシンプルにしました。それが写真です。

 どちらが表か、裏か私自身もわからないのですが、TwitterのIDも@mdfujita 自分自身のホームページも、www.mdfujita.jp さらにメールアドレスも、SKYPEまでも同じmdfujitaなので、今回はこれで統一しようという作戦にしました。

 また、電話番号には私も誕生日も隠されているので、これもちょっとしたこだわり。それも表現してみました。聯通の店でさんざん悩んだ電話番号選びでしたので。

 携帯電話の番号と、メールアドレスがあれば、基本的な連絡はできてしまう昨今。ある意味、余計なものはない方がいいかもしれないという発想です。

上の写真の真ん中にある印鑑は、義父の手作り。そのための朱肉も買いました。中国では、結構朱肉に凝ることが多いようです。

 中医学をやっていると、冬の養生に欠かせない膏方の処方箋などに大きな印鑑が必要になることが多いのですが、そういった印鑑を義父は作ってくれました。もちろん、日本の銀行の実印も手作りです。

 一生ものなので、大切にしたいです。

 コンパクトということになると、PFU富士通から出ているスキャナも大活躍しています。書斎には、ScanSnap S1500があるのですが、ずっと持ち歩きできるスキャナがあればいいなと思っていました。そこで見つけたのがS1100です。

 S1500でも使い勝手は悪くないのですが、機械が大きいので、こちらは大きな本などの自炊用で、小さな雑誌や新聞の切り抜きなどの資料をスキャナするのには、S1100がよくできています。もちろん、MBAにもぴったりのサイズとそこそこいいデザインで気に入りました。

 Windows7のディスクトップにはS1500を、LionのMBA(MacBookAir)にはS1100と使い分け、Evernoeteを仲介して共有するという使い方が、一応うまくいっています。最近のバージョンアップで、スキャンしてできたPDFを直接Evernoteにアップできるようになったので、使い勝手は数年前より向上しています。

 S1100ですが、小さい割にはなかなかの速度でスキャンしてくれます。ただし、両面の同時スキャンはできないので、そのときはS1500を使うようにしました。

 MBAにもScansnapにも共通していえるのは、スイッチ類が極めて少ない点。スキャナに関しては、表に青く光るスイッチがあるだけ。フタをあけたら電源が入り、すぐにスキャナができてしまう機敏性。

 こういった簡単な使い勝手が無い限り、いくら高機能であっても日常使ってみたくなりません。

 シンプルに、スマートに道具を使いこなしていきたいです。

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健康ブログ:「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて

2011年12月09日

血拼と手荷物重量緩和&執筆原稿の整理

 最近、上海の巷では「血拼」という単語をよく見かけます。中国読みすると「シュエビン」。何回か言い続けると、ああ!なるほど、「シュッピング」だということが分かります。中国的なショッピングの解釈は、まさにバーゲンセールで血眼になって買い物をすることを指します。日本語的なショッピングとは、少し違います。だから、「血」という漢字が入っているのか、とか勝手に解釈していますが、バーゲン品に殺到する姿が目に浮かびそうですね。

 そんなわけで、この時期は海外へ買い物に出かける中国の人たちが増えます。原発事故の影響で、残念ながら日本に買い物ツアーにいく人たちは激減しているそうですが、香港は相変わらず人気です。

 そのためか、中国民航各社が預ける荷物の制限を大幅に緩和しています。一瞬目を疑いましたが、12月6日付けの『新民晩報』にも書かれていたので、その通りなのでしょう。

 私がよく使う東方航空は、エコノミークラスで預けられる荷物の量は、オーストラリア便では30キロまで、日本便だとなんと45キロまで可能になりました。以前は、20キロまでだったので、ものすごい重量の増加ですね。

 一方で、中国国際航空も日本便でエコノミーで2個までの手荷物が預けられて、1個は23キロまで。ということは、46キロまで預けられるということです。

 確かに、今までもとくに大きな荷物を機内に持ち込む人が多くて問題になっていましたが、これで少しでも持ち込み荷物が減ったら、安全のためにもいいと思います。中医大学に留学しているころは、日本から沢山の本を持ち込んだので、毎回、荷物の検査でヒヤヒヤしていましたが、今後はそういった心配も減ることでしょう。

 12月ももうすぐ中旬です。

 2012年になる前に、いろいろ整理をしていますが、まずは連載原稿の整理。

 自分のやってきた足跡は、HPには殆ど網羅できているのですが、やはり整理しておかないとあとで分からなくなってしまいます。

 最近書いたのは、

中医臨床 2011年9月「秋の養生」、健康医学2011年9月「秋凍」中医学や漢方の季節的養生。
健康医学11月号「腎臓病と中医学の腎」
健康医学10月号「中医学による糖尿病の考え方・糖尿病と生薬の研究」

になります。何れもクリニックの待合室に置いてありますので、ご覧ください。わかりやすく書いたつもりです。。。

 『中医臨床』に関しては、12月号も入稿し、校正もすませましたので、もうすぐ登場してくると思います。

 あと、NHKから昨日連絡があったのですが、私も少しお手伝いをしている番組、地球アゴラの公式HPに出ていますよ、ということでした。で、みてみるとアゴラーカフェに写真がありました。質問なども受け付けていますので、よろしくお願いします!

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