しかし、上海で運転していて一番脅威なのは、私にとっては路線バスです。こちらの路線バスは、動きが読みづらい。停留所がなくても、急に停まって乗客を乗せたりします。
この非常に荒い上海の路線バスの運転に関して、その過酷な労働条件と関係があるのではないか、と私は思っています。
上海の路線バスは、その運行距離が長く、一度発車すると、目的地に着くまでは2時間程度かかるというのはざらです。今でこそ車両の状況はよくなっていますが、夏にエアコンがないというのも以前ではありました。そんな状態で、イライラしないほうが不思議なぐらいです。
先日も、市内中心部を走る933番のバスで、運転手が乗務中に倒れました。倒れる直前、運転操作でミスがあるなど、運転手の様子がおかしいことを車掌が気付いていたようですが、最終的にはなんとかバスを停車させて意識を失ったそうです。CTの結果、脳溢血で、重篤な状態でした。54歳とのことです。まだ入院先の病院で生死をさまよっているとの報道です。
路線バスに限らず、上海のタクシー運転手も過酷な労働を強いられています。タクシー運転手の場合、1日仕事をすると、1日休むというのが慣例ですが、話を聞くと、休みの日は疲労でむさぼるように寝てしまうことがおおいのだそうです。しかも夜討ち朝駆け。これでは、疲れが十分にはとれません。
結果的に、タクシー運転手や路線バス運転手のなり手が少なく、人手不足にもなっています。政府も、マイカーナンバープレートの落札による収益で、バス事業への補助を出しているようですが、バス会社の経営が大変なのもまた事実です。
興味深い調査結果もありました。上海市内を走っている巴士公交と浦東公交の運転手の数は28428人で、このうち2337人が55歳以上で、このうち465人を調査したところ、健康に何らかのトラブルがある人が全体の86.95%も居たと言うことです。
路線バスの業務中の過労の問題は、こちらのマスコミでは安全面よりも武勇伝的に伝えられることが多いのは、社会的背景の違いからとも思いますが、多くの人命を預かる仕事だけに、安全運転には十分に気をつけて欲しいものです。
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