2012年02月08日

中国人の昼食と塩分の問題

上海で仕事をしている中国の皆さんにとっても、頭が痛い問題が昼食ではないかと思います。

 実際、うちの中医クリニックにこられる中国人・日本人の患者さんも皆さん四苦八苦されています。

 日本人の間では、日本食料理屋で定食を食べたり、社員と一緒に中華の弁当というのが多いようですが、そもそも上海のオフイス街では圧倒的に、廉価な食堂が不足しており、栄養のバランスを考える以前に、まずは昼飯にありつけるかどうか、という深刻な問題となっているケースもあります。私自身は、ほぼ毎日弁当をつくって持っていっていますが、最近、日本人の間でも弁当を持参されている方も時々見受けます。

 ただ、中国人の一般社員の給与からすると、毎日20〜30元するような日本料理レストランの定食は難しく、下手すると即席麺で昼食を済ませてしまう人も少なくありません。ちゃんとした昼食を食べられるかどうかは、午後からの仕事の効率にも影響してきますし、仕事の満足感や達成感とも深く関係があると私は思います。


上海でのコンビニ弁当


中国の即席麺と言えば、上海の街中にその宣伝があふれています。長距離バスや鉄道にのると、旅のお供は即席麺という旅行者をよく見かけます。近年、この中国の即席麺の塩分摂取過剰が問題に。ももと、中国人の1日平均塩分摂取量は、農村で12.4グラム、都市部で10.9グラム、平均で12グラムという調査結果もあり、WHO
の5グラムの基準を大幅にオーバーしてしまっています。
 中国の栄養学会では、今の半分の6グラムを推奨していますが、その量にたどり着くにはまだまだ努力が必要です。上海万博のときに、上海市政府から食塩の量をコントロールする匙が配布されましたが、今はもう使われていないのでは。。。。

 ところで、この即席麺ですが、一般に調味料をいれてお湯をいれます。その味付けが問題になっていて、一般に一袋で6〜8グラムと大量に含まれていて、即席麺の調味料を全部使ってしまうと、確実に塩分摂取がオーバーとなってしまいます。特に、最近ちまたではやっている麺スープがないタイプの即席麺、いわゆる「乾拌麺」はさらに塩分量が高まる傾向にあるのだそうです。


昼食を食べる時間が無い、食べても時間が不規則、早食い、仕事をしながら(パソコンを見ながら)食べるなど、いずれも論外的な食べ方です。調査によると、上海など大都市で働く若者の(20〜30代)の味付けが、ますます濃くなっている傾向にあるようです。ファストフード(中華・西洋系)で食事を済ませる人も増えてきました。その結果、上海では30歳以上の肥満率は32.7%、40歳以上は39.4%、50歳以上では41.4%にまで増えています。北京に至っては、50歳以上の肥満率が54.5%にもなりました。

 今後さらに中国の大人への栄養知識の普及を図らなければ、大変なことになってしまうのは誰が見ても明らかだと思います。我々がここ中国で健康のために、特に食に対して出来ることは、残念ながら「残すともったいない」という発想から、「健康の為に残す」と思わなければいけないと思います。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類