2012年03月13日

方言の問題

 復旦大学附属華東医院が調査を行ったところ、患者にとって最も不満なことに、医師が上海語を理解できないという項目が入っていました。一方で、第一線の医者にとっても、特に高齢者などに多い、上海語しか喋ることのできない患者さんに対して、如何にして意思疎通をはかるか?という問題は、非常に重要な課題なのです。

 上海語は、外来人口の増加で、巷で耳にするチャンスは以前よりは明らかに減っていますが、それでも、上海人の社会では欠かせません。普通語とは少し似ているところもありますが、普通に聞く限り、全く違う言語であるといっても過言ではありません。一般的に、中国語を母国語としている場合、

 私自身、こちらの大学附属病院に所属していたとき、特に外来の患者さんで、上海語しかうまく喋られない方との交流には、四苦八苦したものです。主任から上海語の大切さは日頃から言われていましたが、実際に臨床に出ると、普通語だけでは対応できないもどかしさを感じたもので、私も結局上海語を勉強しました。中医学や漢方医学では、問診を非常に大事にしますから、意思疎通がうまくいかなければ、それだけでも効果に影響がでてくると思います。

 これは、外国語を使っての診察も同じで、通訳を通して診察することは、特に微妙な症状の変化を知る必要がある伝統医学に関して難しいことが多く、やはり医師の言語能力は非常に大切だと思います。幸い、私は妻が上海人なので、上海特有の色々な表現を教えてもらえたのは救いです。

 そこで、前述の華東医院では、第一線で働く医師を対象に、上海語の講座を開いて対策するようです。

 ちなみに、上海人の母から生まれたうちの娘ですが、やはり上海語が苦手。聞き取ることは問題なさそうですが、喋るチャンスがない。
 今の中高年が亡くなってしまったら、上海語をひきつぐ担い手は確実に減っているようで、やはり文化としての上海語の将来が心配ですね。

 ちなみに、私は関西人ですので、どうも関西訛りが言葉に出るようです。あしからず。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類