2012年04月24日

あと何年で上海の大気汚染はマシになるのか

 こちらでも話題になりました。

 中国の民間環境保護団体の一つである、「自然之友」が明らかにした、中国31都市の大気汚染度ランキング。ベスト5は、海口・昆明・ラサ・広州・福州、ワースト5は、蘭州・ウルムチ・北京・合肥・西安と出ていました。我ら、上海は12位。北京よりは良かったけど、広州よりも圧倒的によくないというのには、少しショック。しかし、ラサのつぎに広州が来るというのも不思議なのですが。。。。

 しかし、昨今の上海の大気汚染度は、あの「かすみ」の状況からも一向によくならない。汚染の原因となっているのは、PM2.5と呼ばれる微粒子なのですが、これが可視光線を吸収してしまうため、なんとももやった感じになってしまうのです。そして、中国では長らくPM2.5の濃度は観測されていませんでした。しかし、黄砂なんかよりもずっと人体への危害が大きいのがこのPM2.5でもあるのです。

 とはいえ、PM2.5は我々の身の回りでも意外にも身近です。例えば、タバコの煙。タバコを一本吸うだけで、PM2.5の濃度はあっという間に数倍に増加してしまいます。そのほか、部屋のなかの絨毯や、上海のマンションで時々見かける天然の大理石。大理石からは、放射性物質ラドンガスが出ていて、これがPM2.5にくっつき、汚染の原因になることもあるようです。そして、中国人女性の肺癌の原因にもなっている料理を炒めるときに出てくる白い煙。これも、大量のPM2.5の微粒子を発生させています。

 上海の場合、街全体のPM2.5の微粒子の発生源は、クルマ・船・飛行機の排気ガス、工場の汚染した排気などなど。自動車の排ガスの場合、乗用車はユーロW基準を満たしていても、トラックに関してはまだ実施されていません。さらに、ガソリンや軽油の質もまだまだ改善の余地がある状態で、技術的な問題よりも、コスト的な問題が問題となっているみたいです。

 また、上海の火力発電所の多くは、未だに石炭に頼っています。出力35万キロワット以下の発電所に関しては、2014年までにさらに汚染が少なくなるように処理できる装置を設置する予定だそうです。

 

 では、上海の場合、先進国並の大気汚染度になるにはあとどれぐらいかかるのか?視界が12キロ以上の状態を保てるまでには、10年〜30年はかかるという専門家達の予想。

 ただ、中国全国のなかでも、上海はPM2.5の濃度を下げるのには条件が整っているのだそうで、少しでも早い達成を期待したいところですよね。

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 久しぶりに母校の上海中医薬大学へ行ってきました。せっかくだから薬草園を見学してきました。興味のあるかたはぜひ!入場無料です。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類