さて、長江とか黄浦江とか大きな川に恵まれているように見えている上海ですが、毎年のように水不足が言われています。その最大の理由は汚染。つい10年ぐらい前まではまだまだマシだった郊外の河川も、今ではすっかりと汚染されています。そのため、上海市全体で利用できる淡水資源はたった20%しかありません。(上海市統計局『2011年上海市規模以上工業企業用水状況分析』)
このまま汚染や上海市の人口増加が続けば、さらに使えない水が増えてきて、上海の生活用水も楽観視できません。
また、電力に関しても、今年もまた大変な季節になってきました。
上海市では、例年の猛暑に加えて、冷房装置の普及も手伝って、この夏も電力不足が予想されています。特に、空調関連の電力負荷は1150万キロワットで、負荷全体の40%を占めるとのこと。
一方で、この夏の最高負荷は2900万キロワットと予想される中で、供給できる能力は2800万キロワット程度なので、100万キロワット程度の不足が見込まれています。節電のための停電や時差操業などは、今年も実施されるのではないでしょうか。
供給される電力の2800万キロワットのうち、上海で発電できる量は1910万キロワットにすぎません。そのほかは、地方からの送電になります。近年、上海での環境保全のための取り組みもあり、火力発電所はこれまでの黄浦江エリアから、杭州湾沿岸に移設されてきましたし、火力発電所を作るための用地も上海ではほとんどないのが現状です。
このため、政府中央も上海市に対して優先的に地方からの送電を確保して電力供給をしているようです。
変電所設備の更新も追いついていません。電力をストップして変電所の全面的な点検が出来ていないため、市中心部での老朽化の問題も出てきています。そうなると、何かのトラブルで停電になってしまうリスクも出てきます。
毎年、電力供給では危ない橋をわたっているのがこの上海なのです。
しかし、日本の原発問題もそうですが、華やかな都市生活の維持は本当に大変ですね。ましてや、これから成長しなければならない都市にとっては、水と電力の問題は重責です。
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