2012年05月04日

国家中医薬管理局の年間予算

 最近、日本のマスコミでもいろいろ取りあげられるようになった東洋医学。その中でも、中医学と漢方医学の話題は昨今いろいろとホットです。中国の中医学の世界進出やISO問題に関して、漢方の日本は戦々恐々としている感じもありますが、日本と根本的に違うのは、やはり予算のかけかただと思うんです。

 中国で、伝統医学を専門に扱う部門が北京の政府中央にあり、国家中医薬管理局と呼ばれています。医療・教育やライセンスの問題など行政の問題以外にも、中医学の普及や世界進出計画にも深く関わっています。中国衛生部の副部長(副大臣クラス)が局長になっているところからも、その力が強いことが分かります。

 さて、この部門の2012年度の予算が公表されました。報道によると予算規模は、50.67億元なので、日本円にすると約640億円。前年比12億元の増加だそうです。
 このうち、政府予算からは8.33億元あり、それ以外にも事業収入が41.36億元もあるそうです。一方で、支出では医療・衛生に関するものが44.2億元、科学技術費などが4.9億元となっています。

 先日、日本のNHKのクローズアップ現代でも、漢方薬に異変あり 伝統医療の派遣の争いで紹介されていました。最近、日本もやっと中国の伝統医学に関する戦略に気がつき始めたようですが、もっと早く取り組むべきだったと思います。まずは、こうした伝統医学に関する専門の機関を政府に作らなければいけません。今のままでは、窓口ですら十分にないのです。

 番組では、日本が世界でも珍しく西洋医学と漢方医学が両方使える制度だと紹介されていましたが、中国ではライセンス(西洋医・中医・中西医結合医等)が分かれていても、両方を併用した治療が行え、両者の垣根が日本ほど高くないことを付け加えておきます。だから、伝統医学系の中医薬大学出身の学生でも、比較的西洋医学の研究分野に携わっている人が多いのです。
 


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【連絡】6月7日〜10日までは日本温泉気候物理医学会のため東京・秋田へ、6月28日〜7月1日まで日本東洋医学学会のため休診します。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類