2012年05月05日

上海の受動喫煙とニコチンの問題

 今日、5月5日は立夏でした。いよいよ夏モードです。
 というわけで、「今年の5月5日は立夏でした 肝→心へ」を書いてみました。中医学の養生も季節によって変わってきます。

======
上海に限らず、中国にはヘビースモーカーが非常に多い。それを実感できるのはレストラン。

 タバコの煙で、体がすぐに燻されてしまい、そのまま家まで戻ると、部屋のなかでも匂うぐらい。部屋で匂っている状態も、妻や娘からすれば明らかによろしくありません。
 また、街を歩いていても、歩きタバコをしている人が非常に多いので、タバコの煙を感じないで上海の街の中心部を歩くことはめったにないと思います。

 ただ、上海の場合、2007年の調査では、上海女性の受動喫煙の場所では、50%が家の中でとなっており、さらに女性の60%以上が、家の中での受動喫煙の状態となっているのだそうです。仕事場や公共の場所より多いわけですね。

 上海市疾病予防コントロールセンターが、受動喫煙による新生児や妊婦に与える影響について、2011年1月から閔行区・嘉定区で大規模な調査を行っています。これまでの研究で、1週間に1日以上、1回につき15分以上、妊婦が受動喫煙をしていた場合、90%以上で羊水からニコチンが発見されたとのこと。その結果、妊娠高血圧症候群や、胎児の発育に異常を与え、神経系統の発育障害などが発生するリスクが高まります。

 また、胎児の成長に関しても、新生児の体重が、受動喫煙をしていなかった場合と比較して200〜500グラム少なかったり、奇形の発生率が3倍前後にまで高まることが知られています。厄介なのは、幼児期にも受動喫煙が続くと、4〜11歳になると、喘息・中耳炎・肺炎などになりやすくなるほか、白血病やリンパ腫などのリスクも高まり、知能にも影響を与えるようです。また、大人になっても肺癌になるリスクが受動喫煙をしていない場合と比較して3倍に高まるようです。

 上海市疾病予防コントロールセンターの研究は、2013年まで続けられるようですが、どのような結果になるのか、興味深いです。


中国ブログランキングへ

健康ブログ:「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて


【連絡】6月7日〜10日までは日本温泉気候物理医学会のため東京・秋田へ、6月28日〜7月1日まで日本東洋医学学会のため休診します。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類