2012年06月30日

漢方・中医学の勉強どっぷりの1日

 第63回日本東洋医学学会第2日目。
 朝は9時前からスタートするのですが、奈良からは(隣の県なのに)2時間かかるので、今回は新大阪経由で関空特急「はるか」にのって京都に乗り込みました。関西に実家があるのに、「はるか」は初体験ですが、さすがに内装が陳腐化していて、そろそろ更新時期にきているような印象。天王寺から京都までは40分ほどで到着しました。
 さすがに伝統医学の大規模な学会だけに、会場が9つに、ポスター会場と展示会場という構成でした。とても一人ではまわりきれる量ではないので、興味ある内容をかいつまむしかありません。


成田エクスプレスと比較するとかなり見劣り感あり


 私は、シンポジウム「京上方の医療と医学の歴史」、中田敬吾先生の「昭和の漢方復興を影で支えた巨人」、竹川佳宏先生の「Can Kampo therapy prolong the life of cancer patients?」、ランチョセミナーは、漢方医学と香りのお話を聞き、茶道の千玄室先生の特別講演「日本のこころ やまと心」、午後のシンポジウムでは、「妊娠年齢の高齢化による妊孕能低下にたいして東洋医学的治療はどこまで有効か」と続き、あとは生憎の雨で、庭園内で予定されていた懇親会は、屋内になりましたが、日本の多くの先生方と交流させて頂きました。

 しかし、密かに期待値が高かったのが、今回初参加させていただいた練馬総合病院の中田先生の呼びかけて行われた「漢方医学を熱く語る会」。医師・鍼灸師・薬剤師などさまざまな分野の先生が集まって夜の9時から明け方3時頃まで熱く意見を戦わせました。
 あまりにも熱くなりすぎてか、空調が故障して水が流れ出すハプニングがありましたが、関西セミナーハウスでの夕べは、今回の日本滞在の中でも忘れられないものになりました。講師は、江部流の経方で有名な京都高雄病院の小栗先生、そして熊本赤十字病院の加島先生。昼間は、どちらかと言えば日本漢方的な流れの話が多かったのですが、夜はそうした垣根を取り払い、小栗先生の人柄がにじみ出てくるような経方への愛情と、加島先生の金元四大家のお話は、大変血となり、実となるお話でした。

 さっそく、私も日頃の臨床で実践してみたいと思わせるヒントがいろいろでした。高知の松岡先生には、日本の漢方と中医学との歴史的な関係、そして日本漢方の医学史などのお話を伺うことができました。目からうろこてきな発見も沢山ありました。

 来年第4回の鹿児島では、私もお話させていただくことになりました。よろしくご指導お願いします。

上は懇親会の様子。下は「漢方医学を熱く語る会」


 東洋医学と呼ばれる日本漢方や中医学を勉強する世代も、我々と同世代が増えてきて風通しが良くなってきたような印象です。様々な勉強会に参加して、その情熱の深さだけでなく、真実を追究する姿勢は、カチカチに固まりつつある中国の現代中医学に対して、十分に意見を出せるようになってきているように思います。伝統医学の理論はもちろん大切ですが、その根底にあるものはやはり確実な治療効果がなえれば意味がありません。

 我々日本人がもつ緻密でかつ系統だった思考の方法は、中国の人たちとはまたちがった成果を生み出すに違い有りません。最終的に、伝統医学分野全体の発展ができて、少しでも全世界の人々の健康のために貢献できればいいのです。

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2012年06月29日

京都国際会館にて

 第63回日本東洋医学学会学術総会1日目。

 会場は、京都国立国際会館です。

 奈良県と京都府って隣同士なのに、交通アクセスが今ひとつ良くないのです。そのため、奈良の実家から会場まではたっぷりと2時間もかかりました。こりゃ、2日目は朝が早いので大変だぞ、とか思いつつ、奈良からJRのみやこ路快速を乗り継いで出かけました。京都駅がリニューアルして久しいのですが、京都駅を降りるのは本当に久しぶり。大阪駅もそうですが、いまの新しい駅は吹き抜けが気持ち胃ですね。


JR京都駅


 京都の地下鉄を10駅乗り継いで、終点にある国際会館は非常に立派な施設で、私もビックリしました。建物は非常に独創的ですが、とくに前に広がる庭がすばらしい。とはいえ、学会は部屋の中で開催されているので、外の景色を見ることは殆どありませんでしたが。

 会場は大入りの満員。400人以上がはいる会場の席がぜんぶなくなるほどです。今、日本で漢方医学がどれほど注目されているのかよく分かります。今日は1日目なので、分科会も多くなかったのですが、明日からは本当にいろいろな分科会が開催されていて、私も分身して全部聞いてまわりたいぐらいです。

 会場を歩いていると、偶然にも奈良の老舗製薬会社の大峰堂の方にも会いました。そのほか、お馴染みの先生方が多数ご参加されていて、色々お話を伺えて良かったです。

 今日のシンポジウムは、「皮膚粘膜疾患と補陰の治療」のセッションに出ました。方証相対のセミナーも行きたかったのだけど、すこし個人的に気になっていたテーマが前者にあったので、そちらにしました。皮膚粘膜疾患と言えば、私が日頃、中医学治療で研究しているアトピー性皮膚炎や鼻炎などアレルギー疾患とも深く関係があり、漢方の立場からでのお話を興味深く聞かせていただきました。

 皮膚の乾燥などで使うことのある養陰については、それぞれの先生方がそれぞれの立場から話されて興味深かったです。このテーマは結構範囲が広く、耳鼻咽喉科はもちろんのこと、不妊症など婦人科の治療とも関係があります。また私も後日まとめてみようと思います。

 中医学の場合、内服薬での弁証論治も大事ですが、その特徴はやはり中医薬の外用薬にもあると思います。今回のセッションでは、その話は出ませんでしたが、私も様々な軟膏を研究しているので、外と中からでの治療は、ぜひ一緒にするべきだと考えます。

 今回の学会は、明日からがメインです。非常に楽しみにしています。


国立京都国際会館


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2012年06月28日

今朝の奈良の空気は本当に澄んでいます

 6月28日から日本におります。

 今回は京都で行われる第63回日本東洋医学学会の学術大会に参加するためです。(お、前回の第77回日本温泉気候物理医学会のほうが歴史が古かったぞ)
 9月の日本中医学会とどっちに参加しようかと迷ったのですが、9月は日本温泉学会とも重なってしまい、10月も東京で学会での特別講演が決まっているので、今回はこちらに参加することにしました。秋は毎年学会が多く、取捨選択が難しい。

 空港まではタクシーを使うのをやめて、朝一番に浦東国際空港までクルマで乗りつけました。実は、浦東空港の駐車場料金が値下がりし、1日70元だったのが50元になったのです。だとすると、5泊ぐらいの出張だったら、タクシーよりもクルマのほうが断然お得。しかも、あの恐怖のタクシー運転を体験しなくてもいいし、荷物も運ぶのも楽ちん。とくに、今回の出張では、最終日に直接浦西にある中医クリニックの夜の診察へ出勤しないといけないので、移動はラクにしておかないとという判断でした。

 ちょうど、上海ではローカル学校が小中学校が夏休みに入ったばかり。空港の日本便はもの凄い混雑でした。2時間前に行ったつもりでしたが、出国手続きを済ませたらもう出発20分前でした。ところが、待っても待っても大阪行きのアナウンスが始まらない。そのうち、回りから福岡やら小松やら、どんどんと出発していくのに、大阪便はうんともすんとも。結局、機材の関係で2時間ほど遅れての出発となりました。その間、しっかりと今回日本で受ける試験の試験勉強はできましたけど。



 機内では中華の朝食が出されるも、時間はすでにお昼モード。そして、大阪についたらお昼の時間はすっかり過ぎてしまい、でもお腹が空いたので、結局関空にあるラーメン「神座」で遅めのお昼でラーメンを頂くことにしました。前回のときにOPENしたことを発見して依頼、関空での楽しみがまた一つ増えました。

 そして、一路実家のある奈良へ向かいました。関空からは関空快速なのですが、いつかは乗りたいと思っている225系に今日も縁はなく。日根野で増結した編成が225系だったと気がついたのは、天王寺に到着してからでした。また残念!今日は大阪環状線でまたトラブルがあったようで、ダイヤが乱れる。前回の東京での連続人身事故もそうだったけど、鉄道ダイヤがかなりあやしいですよね。高度に構築された「アーバンネットワーク」では正常運転するのは至難なのかもしれません。


またまた遅延騒ぎ


 久しぶりに実家にもどると、なんか今までの上海の喧噪がうそのよう。ウグイスが鳴いているし、それ以外の物音は一切聞こえない。人の声も聞こえない。このニュータウンには果たして人が本当に住んでいるのかと疑いたくなるような静けさです。私は、日本と中国を往来することが多いのだけど、両方を足して2で割るぐらいがいいのかもしれないですね。ここまで静かすぎると、脳細胞が緩んでしまいそうです。そして、何よりもビックリしたのが、スーパーに人がいない。時間帯の問題かもしれないけど、日本の景気が今ひとつなのが実感できます。そんな中で、消費税の増税?!ようわからんなー。

 今回の滞在では、モバイル用としてB-Mobileの4Gを購入しました。100日間使用で3万円ほど。今までのWi-Fiルーター(右側)よりもかなりスタイリッシュになっています。LTEを使ってみたくてこの機種にしたのですが、威力を発揮できるかどうか楽しみです。B-Mobileはドコモの回線を使うので、私のソフトバンクの携帯に信号がなくても、こちらが活きていること多いのです。

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左側が4Gタイプ。ルーターもスタイリッシュになりました。
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