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さて、昨晩、中医クリニックの診察を終え自宅に戻ってみると、マンションのロビーに張り紙がありました。うちのマンションの1階には、ドイツ人と中国人の夫婦と2人の子供が住んでいるのですが、1階なので庭が大きく、芝生を植えてきれいにガーデニングされています。ところが、この芝生の庭に、毎日のようにいろいろなものが上から落ちてくるのだそうです。
ご存じの通り、中国のマンションやアパートでは、よく窓からモノを捨てる人がいます。テレビのニュースでも、窓から植木鉢が落ちてきてクルマが傷つけられたなどの話をよく聞きます。ゴミ程度なら困ったことに日常茶飯事なのだけど、今回、張り紙をみてビックリしたのは、注射針が上から落ちてくるのだそうです。
この注射針は、糖尿病の患者さんが血糖値を測定するために刺す針なのですが、これが空から降ってきて、しかも芝生の中に1日数回見つかると言うこと。芝生の上を走っていた子供の足に刺さってしまったそうで、これはかなりキケンです。
針と言うことで思い出したのが、以前診察した中国の患者さんで、子供の頃、病院の近くで遊んでいて、医療廃棄物がずさんに管理されていたため注射針などが転がっていて、それで毎日遊んだことが原因でB型肝炎に感染してしまったという症例がありました。父母にB型肝炎がなかったので、おそらくそうした廃棄物で遊んだことが原因だと考えられます。中医学の鍼灸で使われる鍼は使い捨てなのですが、そうした廃棄物の処理は、場所によってはずさんなのです。
しかし、空から降ってくる注射針。使用済みの綿棒とか、ときにはコンドームなども落ちてくるこのご時世。今の子供たちは、学校で最低限のマナーは学ぶようですが、そうした教育を受けていない中国の大人達はまだまだ多く、子供の見本になれないことは本当に厄介です。
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