旧上海万博のエリアは、いま再開発の真っ最中です。先日も、万博会場の真ん中を貫いていた世博軸の再開発計画が発表され、ここにシュッピングモールが出来ることになりました。付近の道路はすでに一般開放されていて、既存の施設から活用が開始されています。
私はクルマで行きましたが、イタリア館の東側には有料の駐車場があり、そこにクルマを泊めると歩いて5分ほどでイタリアセンターにまでいけます。イタリアでは、この場所を中国との交流の窓口の一つにしたいと考えているようで、展示物もイタリアの産業・文化・芸術などが体感できるようになっています。そう、フェラーリ-の特設コーナーもありました。
私が個人的に興味をもったのは、イタリアにある薬酒の文化。展示によると、1565年ごろに葡萄酒に果実や蜂蜜をいれて、長期間高熱を出した虚弱体質の患者に与えたのだそうです。その当時、修道院が医療施設として活用されていましたが、葡萄酒をそうした薬草などの医薬品を溶かす溶媒として活用されたのだそうです。そのための陶器の容器などが展示されていました。
薬酒の文化は、中医学にもあり、特徴的です。お酒の文化と医学の文化とは昔から繋がりがあります。それは、医学の医の繁体字である「醫」を見ても分かりますが、ちゃんとお酒を意味する「酉」の字が入っていました。酒が病気を治すという発想は、ある意味全世界で共通の認識かもしれませんが、だからといって飲み過ぎてはダメですよ。
展示物を一通り見学した跡、元ルクセンブルグ館のあった鉄の建物の1階にあるイタリアンのカフエに入って小休止。残念ながら、夕方17時で閉店してしまうのですが、イタリアセンターの回りは、ちょっとしたイタリアのグッズなどが手に入るお店があったりして、色々とのぞけるようになっていました。
万博会場の今の姿は、まさに学園祭が終わったあとのようなちょっと空虚な感じがしますが、今改めて足を踏み入れてみると、あの当時の熱気が目に浮かぶようです。ほんの短い期間だったけど、(もともとあまり団結力のないと思われても仕方が無い)上海で世界からあれだけの人たちがやってきたイベントを出来たことは、やはり凄いことだと思いますし、その時に上海にいれたことは本当にラッキーだったと思います。そんなことを思いながら、夕暮れ時の旧上海万博の会場を後にしたのでした。
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健康ブログ:「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
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