2012年06月21日

上海のイタリアセンター(意大利中心)

 上海万博のイタリア館は、万博開催中にはご縁がなく、並ぶ根性もなかったので、結局見学できなかったのですが、現在2012年4月28日から12月31日までの期間限定で一般公開されています。万博パビリオンのなかでも、外観のデザインが一際良かったので、ぜひ一度いってみたいと思ってのぞいてきました。入場料は、当日券で60元で月曜日が休館です。45元の事前割引券もあるようです。

 旧上海万博のエリアは、いま再開発の真っ最中です。先日も、万博会場の真ん中を貫いていた世博軸の再開発計画が発表され、ここにシュッピングモールが出来ることになりました。付近の道路はすでに一般開放されていて、既存の施設から活用が開始されています。

 私はクルマで行きましたが、イタリア館の東側には有料の駐車場があり、そこにクルマを泊めると歩いて5分ほどでイタリアセンターにまでいけます。イタリアでは、この場所を中国との交流の窓口の一つにしたいと考えているようで、展示物もイタリアの産業・文化・芸術などが体感できるようになっています。そう、フェラーリ-の特設コーナーもありました。


 私が個人的に興味をもったのは、イタリアにある薬酒の文化。展示によると、1565年ごろに葡萄酒に果実や蜂蜜をいれて、長期間高熱を出した虚弱体質の患者に与えたのだそうです。その当時、修道院が医療施設として活用されていましたが、葡萄酒をそうした薬草などの医薬品を溶かす溶媒として活用されたのだそうです。そのための陶器の容器などが展示されていました。

 薬酒の文化は、中医学にもあり、特徴的です。お酒の文化と医学の文化とは昔から繋がりがあります。それは、医学の医の繁体字である「醫」を見ても分かりますが、ちゃんとお酒を意味する「酉」の字が入っていました。酒が病気を治すという発想は、ある意味全世界で共通の認識かもしれませんが、だからといって飲み過ぎてはダメですよ。

様々な形状のパスタをつくる型。そして、薬酒を入れる容器。


 展示物を一通り見学した跡、元ルクセンブルグ館のあった鉄の建物の1階にあるイタリアンのカフエに入って小休止。残念ながら、夕方17時で閉店してしまうのですが、イタリアセンターの回りは、ちょっとしたイタリアのグッズなどが手に入るお店があったりして、色々とのぞけるようになっていました。

 万博会場の今の姿は、まさに学園祭が終わったあとのようなちょっと空虚な感じがしますが、今改めて足を踏み入れてみると、あの当時の熱気が目に浮かぶようです。ほんの短い期間だったけど、(もともとあまり団結力のないと思われても仕方が無い)上海で世界からあれだけの人たちがやってきたイベントを出来たことは、やはり凄いことだと思いますし、その時に上海にいれたことは本当にラッキーだったと思います。そんなことを思いながら、夕暮れ時の旧上海万博の会場を後にしたのでした。


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【連絡】6月28日〜7月1日まで日本東洋医学学会のため休診します。


posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類