2012年11月19日

大気汚染も中国リスク管理の一つに

 大気汚染ネタが続きます。

 上海市政府が、大気汚染の情報を出すようになってから、上海在住の日本人の皆様も関心をもってくださるようになり結構なことだと思います。私も日々の中医クリニックの診察でも、患者さん一人一人に大気汚染のお話をしています。残念なことに、そういった情報を知らない日本人が殆どなのです。


 PM2.5の値にしてもそうですが、日によって、時間によっての違いが非常に大きいのが特徴です。雨の降った日などは、もの凄く数値がよくなりますし、風向きによっても変わります。


 よって、1日1回はShanghai Enviromental Monitoring CenterのHPで、上海の大気汚染度をチェックしてから行動してください。洗濯物を外に干すか干さないか、子供を外で遊ばせるかどうか、基準になると思います。


 さて、写真は11月19日の我が家の書斎からみた様子です。写真をみただけでも、分かるでしょう。この日の汚染度のひどさを。

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 PM2.5の値は200をこえ、いわゆる「Very unhealthy」となっていました。そんなことをTwitterでつぶやいていたら、なんと上海の某学校では持久走の記録会が行われていたとか。まったく開いた口がふさがりませんでした。子供たちの健康を守る医者の一人として、それはないだろうと思いました。



 健康な人でも、喉がイガイガする程度の汚染度だというのに、わざわざそんなときに激しい運動をする必要はないのではないかと思いました。子供ならなおさらです。



 最近、(私も含めて)のどをやられる人が多いのは、紛れもない事実です。私も日頃の中医クリニックの診察で実感しています。



 最近、上海市の環保部門も上海で大気汚染が悪化していることを認めています。特に、今までの石炭燃焼が原因の大気汚染から、今ではクルマの排ガスなど複合的な要因によるものが急増しています。そのため光化学スモッグの発生など、問題が山積している一方、規制が非常に難しいのも事実です。そこで、上海市では予定を前倒しにして、クルマの排ガス規制を2013年度から国X基準にするこを決めましたし、今後段階をきめて、上海の大気汚染を改善する施策を実施していくとのこと。



 少しでも改善されるように願います。

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 中国ではまだまだ空気清浄機も普及していません。普及率はなんと0.2%だとか。一方で、81%の市民が都市の大気汚染状況に不満を持っています。結局、今の段階では部屋の大気汚染を改善するために、空気清浄機を使うしかないでしょう。私も、19日にもう一台空気清浄機を買いました。今回はシャープのプラズマクラスターです。3000元前後で買えます。ただ、最近買う人が増えたのか在庫切れで、展示品を値切らせて持ち帰りました。今の段階では、部屋で空気清浄機を使うことは有効な対策ですので、ぜひ常備されることをお勧めします。

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 ちなみに、プラズマクラスターは、私は自分のクルマにも使っていて、確かにニオイがとれますね。すごいな〜、と思いました。(私とシャープは関係ありません。)

 これで、サンヨー、パナソニック、シャープと3台の空気清浄機が我が家にあります。また、エアコンはダイキンですので、こちらでも空気清浄させています。結局、当初買った中国メーカー系のエアコンは、値段は安かったのですが、故障続きで廃棄してしまいました。

 これから、市民の意識が高まってくると、空気清浄機が爆発的に普及するような予感です。日系企業もチャンスですよ。




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posted by 藤田 康介 at 10:56| Comment(0) | ここは上海なり

2012年11月18日

上海の大気汚染〜PM2.5とAQIの関係

 新しく始まったばかりのPM2.5をベースにした大気汚染度の指標、AQIについては、今日のブログでこちらにその概要を紹介しました。

 昨日18日は、1日大気汚染は解消されませんでした。そして、今朝の上海ですが、快晴で真っ青な青空が見えているのですが、残念ながらPM2.5の値は低くありません。朝8時現在の数値で、アメリカ領事館のPM2.5は174(Unhealthy)、上海市政府が出しているAQIは176、PM2.5の値で115となっています。ということで、上海市空気質量実時発布系統では、「赤色」警報とし、一般の健康な人の外での運動は減らし、子供や高齢者、呼吸器系や心臓に持病のある場合は、激しい運動を外でしないようにとしています。ここ最近、なかなか運動によいレベルの日を見つけるのは難しいです。

 さて、昨日から時間をみつけてはAQIとPM2.5の上海市での動きを見ていたのですが、どうもPM2.5の動きよりも、AQIの動きの方が遅れる傾向にあるようです。このことに関しては、上海環境観測センターの専門家もマスコミに対してコメントを出しており、測定方法の違いにより、時間的誤差が発生するので、汚染源の原因がPM2.5である場合は、まずPM2.5濃度の動きに注目し、もし1時間あたりのPM2.5値が150を連続して越えるようなことであれば、屋外での運動を避けるようにとしています。

 AQIによる大気汚染度の測定は、まだ始まったばかりですので、今後の成果を見てみたいと思います。



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posted by 藤田 康介 at 11:00| Comment(0) | ここは上海なり

2012年11月17日

今日の上海は屋外での運動を控える方が賢明です!

 朝から気がついておられる方もおられるかもしれませんが、今日の上海の大気汚染の状況が非常によろしくありません。折しも上海では、11月16日からAQI指標を出しています。これまでのAPI指標と比べて、PM2.5などの数値も加わることで、より実感に近い大気汚染度を知れるというわけです。

 今朝は空気が悪かったので、ランニングはやめて、軽く世紀公園を歩きました。同じ時間帯の別の日の写真ですが、PM2.5の数値があがると、これだけ違うというのが写真からも分かると思います。この時間帯でも、すでに200を越えていました。なお、PM2.5の人体に対する影響にかんしては、上海の大気汚染中のPM2.5 が肺に与える影響とその対策にまとめてありますので、そちらもあわせてご覧ください。

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(空気がいいとき)

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(今朝)


 さて、お昼前のPM2.5ですが、上海のアメリカ領事館の数字で、ついに250を越えてしまいました。これは極めて悪い状態(ランキングでは上から2番目のVery Unhealthy)を示します。

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 また、上海が公式に発表しているShanghai Enviromental Monitoring Centerの数字で、PM2.5は200を越えています。これは、子供や高齢者の外での運動を控えないといけないレベルです。



 PM2.5の値は、時間によって大きく変わります。ですから、全体の平均をみるよりも、その時間の数値を知るほうが大切と思います。さっきも、世紀公園の前を通りかかってきましたが、上海マラソンのためかランニングしている市民を沢山みかけました。どう考えても、今日の屋外での運動は控えるべきです。

 上海に日系の幼稚園や日本人学校もありますが、やはり屋外での運動が多いと聞きます。今後、上海市も学校施設に対しては日本の光化学スモッグ注意報のように警報を出すということですが、できたら学校関係では早め早めに手をうっていただきたいところです。



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posted by 藤田 康介 at 12:50| Comment(0) | ここは上海なり