2012年11月10日

油に酔う

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(上海のスーパーの油売り場)

 炒め物が多い中華料理。必然的に、油を使うことが多いです。スーパーにいっても、かなり大きな面積で油売り場がありますし、中国のマンションの台所にいくと、必ずあるのが台所のドア。煙が居室に流れていかないようにするためです。

 ところで、揚げ物などを長時間料理していると、どうも食欲がなくなったり、場合によってはムカムカしたり、体調の不調を訴えることがあります。「油に酔う」などと表現することもありますが、これは油に含まれている人体に有害な有機化合物が原因といわれています。実は、近年、中国では喫煙しない女性の肺癌が問題になっていますが、その理由の一つに炒め物によって発生する有機化合物と関係があるとされています。


 そうした油を毎日使っている職業といえば、調理師です。近年の中国の研究でも、調理師の肺癌の発病率は、一般の人よりも3倍以上高いといわれており、料理のときの煙と関係があるのではないかと考えられています。また、こちらで調理師と言えば、太っている・肥満といったイメージが一般的です。ただ、これに関しては、油の煙を吸っていることとは関係がなく、むしろ食生活などに問題があるのではないかと思われます。

 油酔いを防ぐには、やはり不純物の少ない質の良い油を使うことが大事です。また、炒め物をするときは油の温度を上げすぎず、台所の換気は十分に。換気扇の性能も大事だと思います。また、揚げ物や炒め物をしたあとは、石けんをつかって顔や手についた油をしっかり落とすようにしましょう。

 それよりも、炒めたり揚げたりする料理を控えるのが一番ですね。


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posted by 藤田 康介 at 07:48| Comment(0) | 上海生活情報