
我が家にとっての中国の地方都市の旅は、なんといっても食材を探しに行く旅でもあります。とくに、秋のこの時期は、本当にいろいろな食材を見つけることができるので楽しいものです。ネタは、スーパーや市場以外にも、農家の庭先や、村を歩く人たちの中にもあったりします。
浙江省桐廬あたりの村々は、それぞれ村によって庭先に植えられている果樹に特徴があったりします。ある村では、文旦が植えられていたり、また柿がたわわに実っていたり。文旦は、上海でも見かけますが、その多くは福建産。浙江省産のものは酸味が強いのですが、文旦の皮と蜂蜜とあわせてシロップを作ったりして「柚子茶」として活用します。中医学的にも、喉にいいとされていて、地元でも風邪の時に使うと言っていました。無農薬というのは嬉しい。農家のおばちゃんから4つ頂きました。


(ほしいも)
そのほか、巨大なチンゲンサイのような菜っ葉の漬け物もこの時期から仕込むそうです。市場でも見つけましたし、農家も沢山収穫していました。早速、持ち帰って我が家でもいただきましたが、ちょうど野沢菜のような食感で、酸味もあって美味しい。地元の人は、チャーハンにも使っていましたが、ご飯が進む食材です。

また、市場では、農家の特製の自家製味噌(おそらく豆板醤か)が売られていました。代々伝わるものらしく、市場でも人気のお味噌だそうです。これは、同じく市場で売られていたプレーンな臭豆腐と一緒に炒めました。臭豆腐も、中国を代表する発酵食品の一つですが、唐揚げでなく、炒めていただくとおいしさが引き立つと思います。



文旦以外の柑橘類といえば、このあたりで収穫されるミカンも美味しかったです。ミカンは、上海エリアでも特産ですが、こちらのミカンも味にコクがあり良い感じと思います。桐廬の街を歩けば、そこら中にミカンが売られていました。

さて、農家の智恵でしょうが、村を散歩していると興味深いものを見つけました。崖に穴が掘られていて、フタがされていたので、なにが入っているのだろう?と思ったら、実は食材の貯蔵庫でした。そのうちの一つをのぞかせてもらうと、中にサツマイモが。サツマイモはいくつか分けてもらいましたが、甘みのある、ホクホクの焼き芋ができました。

最後に、桐廬の老舗レストラン、「永隆飯店」(桐君路108号)では、淡水ウナギを注文しました。上海でも淡水ウナギは食べられるのですが、水質が悪かったらとても臭くて食べられない。でも、さすがに桐廬のウナギは美味しかったです。

(糖尿病にいいと言われているキクイモ)
中国の食文化は、本当に楽しいと思います。それは、なにもレストランで奇抜で高級な料理を食べるというのではなく、素朴な田舎料理にある食材の魅力であると思います。というわけで、クルマのトランクには、いっぱいの地元野菜を積み込んで上海に戻ったのでした。

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