2013年02月01日

表面だけに翻弄されないように

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(つい最近の上海の夕暮れ)

 最近、日本のマスコミでも中国の大気汚染の問題がよく登場していますが、正直言っていまになってはじまった問題ではなく、私のブログ内検索で「大気汚染」を検索してもらうとわかりますが、もう数年前からこちらでは注目はされていました。

 ただ、2012年末ぐらいからPM2.5など大気汚染に関する数値を公開するようになり、これにあわせてマスコミが取りあげるようになったわけです。私も、自分の患者さんにはその重要性は診察時に強調していました。


 上海在住の私からすると、こうした日本の報道はマスコミの本来の姿とはちょっと違うと思っています。本当にこの問題に関心があるのなら、当局が騒ぎ出す前に書いて欲しかった。やはり日本はなにかにつけて対応が遅れますね。民間にしても、政府にしても。。。。

 報道が盛んになると同辞に、うちの中医クリニックにも、最近「大気汚染の影響で・・・」と主訴を訴える患者さんが増えてきていますが、これはなにも今年に限ったことではないです。冬は毎年スモッグが出ていて、大気汚染の状況が悪化します。霧がでて飛行機のダイヤが乱れるのも今にはじまったことではない。霧の濃い日は、汚染度が悪くなるので、朝の運動は控えるように私もずっと言ってきました。

 時々、最近の報道をみて、血相を変えてうちに来られる患者さんもおられます。私はむしろ、そうした情報に翻弄されている精神的ストレスの体に与える影響を心配します。PM2.5の宝庫であるタバコを毎日吸っていても、全然気にしない人も沢山いるなかで。

 たしかに、数字がよくない日もあります。私も毎日このデータをチェックしていますが、そもそも数字を見る前に動物の本能として体感できるのではないかと思います。

 この世の中に、完璧な状態で生きることのできる世界はないとおもいます。じゃあ、空気がいい日本で喘息やアトピーがないかといえば、残念ながらそうではない。地震も発生するし、放射能の問題もある。一方で、これだけ大気が汚染された上海にきて、事実逆に喘息の発作が治まったという人もおられるし、人の身体はそう単純ではないということを思い知らされます。なによりも、長寿社会となっている日本の環境問題も、60年、70年代はとんでもない姿だった。でも、その時代を生き抜いてきた今の中高年の世代がみんなが病気でダウンしてしまったわけではありません。



 環境汚染の問題は、確かに我々の生活のクオリティーに影響を与えています。でも、その元凶を作ったのが我々人間であることは間違いないし、その恩恵にあずかっているのも我々人間です。自動車会社など日本の企業も中国で物作りをしてきて、利益をあげてきたのは紛れもない事実で、これからはその代償を負わなくてはいけない時代になっているのは、ある意味自然なながれなのかもしれません。チャイナプラスワンとかいっているその他の東南アジアの国々も同様なながれでしょう。九大が研究している大気汚染の予想をみれば、一目瞭然です。

 残念ながら、クリーンルームにずっといても問題は解決しません。環境が悪化したのなら、免疫力強化も含め、それに対応できる体作りをするなど、新しい課題に我々は直面しています。逃げていてもはじまらないのです。


posted by 藤田 康介 at 07:35| Comment(0) | 上海の大気汚染状況