2013年03月09日

最近の上海の外食戦線〜ウイグル料理の「耶里夏麗」

お昼の時間帯に、ショッピングモールに入っているレストランの様子を散歩がてらに観察するのは興味深いものです。うちの中医クリニックから、宜山路の光啓城までは歩いて5分程度。

 特に、日中関係が色々言われる中、日系の外食産業は健闘していますし、明らかに日系ではない日本料理店も客入りに関しては大したものです。日本ではあまり報道されていないかもしれませんが、和民とかサイゼリアとか、お昼になると行列ができていて、中華料理系のお店より客足が良いぐらいなのです。うちの中医クリニックの並びにある中山西路のモスバーガーも賑わっています。

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 私もその理由をいろいろ考えてみたのですが、やはり定食的に食べられるメニューは、日本料理屋には充実しているし、根本的に脂っこくなくヘルシーですからね。中には、これは日本料理ではないでしょう、と思うようなメニューもあったりしますが、それでも味噌汁をレンゲで飲むような感覚(中国ではスープをお椀のままで飲まない)で、中国の人たちの間で市民権を得ているように思います。

 日本式のお鍋も時間制限の食べ放題でこちらも行列ができていました。2時間で100元前後の値段で本格的な日本の鍋料理が食べられるというのはお得感もありますね。
 いくら中国が嫌いだからと言って、餃子やラーメンを食べない日本人は殆どいないでしょう。

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(お昼どきの「和民」。最近市内で店舗数が増えているような気がします。)


 近年の上海での外食産業の特徴として、様々な少数民族や地方色の強い料理が脚光を浴びています。その例として、私も以前行ったことある西貝といった中国西北エリアの料理もその一つで、ものすごく素朴なのだけど、何故か食べたくなるメニューなのです。

 その他、妻の誕生日で入ったレストランの繁盛ぶりはすごかった。人民広場の百聯世茂のビルの9Fにある新疆ウイグル料理の専門店「耶里夏麗」は、ウイグル族の店員が多くいて、エキゾチックな雰囲気いっぱいのお店でした。なんといっても本格的で、やる気を感じさせるお店でした。こうした繁盛店はすべてそうですが、予約は受け付けませんので、行列して待つしかありません。その待合場所では、お茶を飲みながらカードゲームで時間を潰している地元の人たちの姿がありました。

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(入り口からしてこの行列)

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(こうやってシシカバブを焼いてくれると煙が減ります。pm2.5対策!)

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(活気がある店はいいですね。)

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(トマトベースの板麺)

 ウイグル料理といえば、街の食堂のようなお店が多かったのですが、このお店は少し切り口を変えています。シシカバブを大量に焼く姿はなかなか壮観でした。

 「西貝」にしても、「耶里夏麗」にしても共通しているのはメニューの種類の多さと、料理の量少なさ。こういった料理は、従来の感覚ではとんでもない量と単純なメニューでちょっと飽きてしまうのですが、そういったスキを与えないようにいろいろ工夫されているのに感心しました。



posted by 藤田 康介 at 07:11| Comment(0) | 中国で食べる

2013年03月05日

スモッグな上海&日本の大気汚染

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 ここ3日間、上海の大気汚染の状況はよろしくありません。いくらなんでも,さすがの私も外出は控えました。実は、私のブログの読者から教えていただいたサイトで、アジアも含めた世界各地のAQIを確認していますが、今日は西日本の大気汚染の状況も思わしくないです。唯一グリーンなのは、やはり日本の東北地方。原発問題さえなければ。。。と本当に残念な思いがします。ただ、九州から近畿にかけてのエリアは確かに空気の状況が思わしくないですね。何らかの対策が必要なレベルです。

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 そろそろ黄砂のシーズンになり、PN2.5に続き、PM10の動向が気になりますが、一般にPM10クラスの粒子なら大部分は鼻毛も役に立ち、気管の繊毛運動によって喉へ運び出され、痰やクシャミの形で排出されますが、PM2.5のように小さくなると肺胞の中にまでとどき、マクロファージの食作用と粘液繊毛輸送機構によって排出されることになります。つまり、肺の免疫力を高めることが(中医学的に言うと肺の正気を高めること)大切ということになります。

 これほど小さな微粒子ですから、マスクや空気清浄機をつかうと防げるかと言えばそう簡単ではありません。よく疑問点として挙げられるのが、高層建築ではどうかという問題です。南京市の調査では、1階〜3階までの高さでPM2.5とPM10の濃度が最も高く、それ以上の階ではほぼ均一になっているということでした。一方で、高さ350〜1000メートルまでいくとようやく改善されるレベルになるそうで、高層建築であれば汚染がマシになる、もしくは汚染が酷くなるという説は一般的な住宅に関しては当てはまらないと言うことでした。

 屋内にいると、屋外よりもPM2.5やPM10の影響を下げることができそうですが、そんな中でもタバコの煙があれば全然意味をなしません。復旦大学が興味深い実験をしていました。面積20平米の部屋で、室内のPM2.5を測定すると52(㎍/平方メートル)と出て来ました。この部屋の中でタバコを1本吸ったとすると、喫煙者からの距離が2〜3メートルでPM2.5は251にまで上昇、2分後に同時に2本目のタバコを吸うとこの値は648になりました。興味深かったのはこのあとの結果です。タバコの煙でPM2.5が最高1454まで達したあと、喫煙者が部屋から出て行っても、PM2.5はすぐには減少せず、30分後でもまだ872あったといういことです。つまり、十分な換気ができていない状態では、完全にPM2.5を追い出すのには相当な時間が必要であると言うことです。

 結局、室内におけるPM2.5の発生源は、往々にしてタバコと関係があることが多いです。特に、中国のビルでもよく見かけますが、階段ホールやトイレでの喫煙は大きな問題で、そこにタバコがあるだけでPM2.5は一気に基準値の100倍となってしまうことも。そうした場所は通気性が悪いので、屋外の大気汚染の問題も深刻ですが、通気性についても考えるべきなのでしょう。また、こちらの対策としてよくみられるのが、加湿器の活用です。加湿することで、PM2.5などの微粒子を付着させて沈殿させるというのも有効であるとしています。最近では、上海でも加湿機能付きの空気清浄機が沢山売られています。

 とはいえ、ホテルの客室やレストランでタバコの煙から遠ざかることが、なによりも大切なPM2.5対策であるということはいうまでもありません。



 
posted by 藤田 康介 at 12:51| Comment(3) | 上海の大気汚染状況

2013年03月02日

「上海市空気質量実時発布系統」のアプリ

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 今日の上海の大気の状態は良好です。遠くまでくっきりと景色を見ることができます。私も朝から世紀公園で運動してきました。いつも診察で、大気汚染の状況を聞かれるので、上海在住の日本人としていろいろコメントさせていただいておりますが、様々なデータが市政府からもリアルタイムで発表されるようになったので、以前ほどの不安を感じなくなったように思います。逆に、どういう大気の状態で、どういう対策をとるべきなのか?ということに注意するようになりました。 とにもかくにも、PM2.5の問題を討論するのなら、まず禁煙することが最重要課題です。 

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 さて、3月1日から「上海市空気質量実時発布系統」が新バージョンになっていますが、これのiPhone、Android用のアプリも結構つかえると思います。こちらから。
 こうしたアプリをさっさと作ってしまう上海市政府の対応に対して、やはり日本の地方自治体も見習って欲しい。

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 さらに嬉しいのは、上海のエリア別で大気の状況を確認することができるようになっています。今は市内10箇所のデータをみることができますが、今年中に50箇所にまで増やすようです。我が家は浦東にあり、ちょうど近くの世紀公園のところに観測所もあるのでそこのデータも参考にできます。

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 データを知る手段が増えてきたことは、よりきめ細かい対応ができるので嬉しいです。



 
posted by 藤田 康介 at 13:37| Comment(0) | 上海の大気汚染状況