2013年03月14日

都市生活での屋外運動のポイント

 さすがに、これほど情報が出てくると、AQI数値が悪いときに、外で運動する人は少ないかと思いますが、外での運動に関しては悩ましい問題がいろいろあるかと思います。正直、まだまだ分かっていないことが多いのですが、上海市にある華東師範大学の体育健康学院と資源環境科学学院で、興味深い研究がスタートしているようです。

 研究を統括している体育学院の季瀏教授らのグループでは、ラットを使った動物実験で、密閉した環境に汚染状態を作り出し、それがラットにどのような影響を与えるか検討しています。これにより、心肺機能への影響、PM2.5にどれぐらい暴露されたら身体への影響が大きいか、ラットの発育段階によってどのような影響を受けるかなどの実験が現在行われているという情報ですので、こちらの結果も注目したいと思います。

 運動に関して、都市生活をしている我々が注意しないといけないことはいろいろあります。いくつか参考になることを列記しておきます。

 まず、お年寄りの中には、まだ暗いうちから運動に出かけている人を見かけますが、樹木の光合成はまだ始まっていないので、太陽が出て来てから運動した方がいいのだそうです。また、朝晩のラッシュ時の運動は極力避けること。すごく渋滞しているエリアの大気汚染状況が良いはずないのです。

 もし、スモッグが酷いときは、窓を閉めて室内で運動する。空気清浄機の活用もいいでしょうが、そうなると屋内での水泳なんかがよさそうですね。

 上海では場所が少ないので、市民をみていると大通りのそばや歩道などで走ってしまうことが増えてしまいますが、やはり幹線道路の周辺というのは様々な顆粒物質、二酸化炭素、オゾンなどの濃度が上昇します。季教授らのグループの研究では、二酸化炭素の濃度からみると、幹線道路からは最低37メートルは離れた方がよいということです。となると、大きな公園の内側の環境が大切ですね。

 まあ、言い出すとキリがないですが、少しでも良い環境で、元気に運動したいし、子供たちを一日中運動しない状態に置いておくのも、健康に関して非常に不利です。空気の良い日を大事にしたいですね。

posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(0) | 上海の大気汚染状況