
日本でシュウマイと言えば、豚肉入りの焼売をイメージしますが、上海など江南エリアでは、シュウマイはなかに餅米をいれるのが一般的。それはそれで美味しいのですが、実は豚肉入りのシュウマイが上海浦東に「浦東新区の非物質文化遺産」として継承されています。それも、春だけの期間限定。なぜか?

今回訪れた浦東新区の下沙新街は、瀘南公路5229号にあります。瀘南公路といっても、馴染みがないかもしれませんが、実は浦建路をひたすら南下すると、瀘南公路になります。浦東新区の中心部からは25キロぐらいの距離です。(この瀘南公路はバス・トラックが多く、走りにくいので、平行して走る林海公路がお薦めかも)

下沙シュウマイの特徴は、やはり豚肉+春筍。つまり、春筍が収穫される5月初め頃までの期間限定のシュウマイで、その後は姿を消してしまうと言う代物です。もちろん、春筍がない季節は、蝦や冬筍などで代用するようですが、オリジナルは春筍ということで、それを食べるためにこの下沙まで上海市内各地から買いに来る人も多いとか。案の定、この日も店先には行列ができていました。
店内にはほんの小さな食べるスペースもあり、早速私も賞味させてもらいました。値段は1個2.8元。肉まんが今1.5元程度ですので、結構良い値段はしています。

シュウマイといえば、小さいイメージがありますが、大きさはまさにあの551蓬莱のシュウマイぐらいあります。特徴はなんといっても皮でしょうか。このお店では添加物を一切使わないで皮を作っているそうで、口当たりが非常にいい。そして、日本のシュウマイではまず考えられない「肉汁」が溜まっているのも特徴です。小籠包をたべるように肉汁に気をつけながら、かぶりつくと、春筍の歯ごたえがとっても心地いいのです。春限定である理由は、まさにこの春筍のためだったのですね。

あと、このあたりで売られていたのが小豆のシュウマイ。これは、日本ではまず見かけません。シュウマイの皮の中に、あんこが入っているわけです。
ちなみに、有名な観光地というわけではないですが、下沙には昔ながらの街並みの老街(旧市街)がのこっていて、付近を散策してみるのもいいかもしれません。丁度、上海の郊外では菜の花が満開で、黄色がまぶしいぐらいでした。


半日で駆け足のドライブでしたが、上海の郊外はまだまだ楽しい。下町の庶民的な空気を楽しみました。
